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警戒区域付近を防衛任務でパトロールしていた。太陽が頭上にのぼる頃だった。
迅の驚いたような表情がずっと頭の片隅に残っていた。あの迅が未来をみて、一瞬固まるなんて珍しいと思ったし、それほど悪い未来が見えたのかとも思った。けれど迅は否定した。迅がそういうのなら、とその場では納得したがやはり気にはなってしまう。いつもより注意して周囲を観察していると、警戒区域付近に一人の女の人がいた。


危険だから離れるようにと、その人に注意するためにそっと近づく。
年は概ね同年代くらいの人だった。俺の存在に気が付かない彼女の横顔はなにか、張り詰めているような気がした。その人は警戒区域内に向かって歩こうと足を踏み出した、けれど手をぎゅっと握って俯いてしまった。何かあったのかと思わず駆け寄る。

「あの、気分でも悪いんですか?大丈夫ですか」

俺の声にふと顔を上げて、視線が交わった。瞳には薄く膜が張っていて、じわりと涙が滲みていた。

「あ、なたは」

女の人は俺の隊服に目を落としていた。

「ボーダー、嵐山隊の嵐山です。具合、悪いですか。ここは危険だから少しはなれたところに、」

手を貸そうと、右手を差し出した。彼女の力いっぱい握られていた拳はゆっくりと開き、俺の手に触れた。それからくん、と手を引いて彼女の顔を覗き込む。

再び合った視線の先にはもう涙はなかった。

「具合は平気です、すみません。ご心配おかけして」

いえ、と答えようとした。その時だった。目の前に突如として黒い門が開いた、と同時にサイレンの音が響き渡る。

「ゲートだ!逃げてください!」

一般市民を巻き込むわけには行かない、そう思って彼女の手を離し、振り返る。彼女はゲートを見つめていた。

「早く!」

俺の声がやっと耳に入ったのか、彼女はざり、と後退りした。ゲートの中からバムスターが顔を出す。

「バムスター……」

俺が攻撃を仕掛けると同時に聞こえてきた声に、わずかに意識を削がれた。

どうしてトリオン兵の名前を知っているんだろうか。

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- なぎささん» なぎささんコメントありがとうございます!好きと言って頂けるだけでありがたいのに5回も読み直して頂けるなんて恐縮です…!本当に本当にありがとうございます!嬉しすぎて泣きそうです…不定期更新でご迷惑お掛けしますがこれからも頑張りますね! (2022年10月1日 20時) (レス) @page49 id: 79e67df0bc (このIDを非表示/違反報告)
なぎさ(プロフ) - 更新ありがとうございます!この小説が好きすぎて5回は読み直しました...これからも応援しております🥳ご無理のない程度に頑張ってください! (2022年9月30日 20時) (レス) @page48 id: 0fe7f18098 (このIDを非表示/違反報告)
- 璃々さん» コメントありがとうございます!手探りで進めているようなお話ですが面白いと言って頂けて本当に嬉しいです!続きも待ってくださるなんて本当に嬉しすぎて転げ回っております…本当に励みになりました!不定期更新で申し訳ないですがこれからも更新頑張りますね! (2022年7月30日 0時) (レス) id: e6b083c4a6 (このIDを非表示/違反報告)
璃々(プロフ) - コメント失礼します!近界から帰ってくるっていう新しいタイプのお話ですごく面白いです!!!夢主の実力がどのくらいかとかほんとに気になって仕方ないです…続き楽しみに待ってます!頑張ってください!!! (2022年7月29日 19時) (レス) @page31 id: e950c5fcca (このIDを非表示/違反報告)
- ゆん。さん» コメントありがとうございます!世界観にハマるだなんてとてもとても嬉しいお言葉ありがとうございます!私もゆん。様のお言葉に励まされ飛び上がって喜んでおります…!これからもちょこちょこ更新しますのでどうぞよろしくお願い致します! (2022年7月15日 12時) (レス) id: d84ec32568 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年6月30日 2時

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