☆343 止まらない想い。 ページ49
圭「…」
ドアから顔だけを覗かせて目を泳がす圭くん。
そんな君の様子にどうすればいいか分からなく立ち尽くす私。
いや。
どうすればいいか分からないなんて、今さら何思ってるんだろ。
何をすればいいのかなんて決まっている。
.
A「…ぁ、あの!」
圭「はっ?」
うっ…
圭くんの当たり前の反応に、思わずビクッとしてしまった。
拳に力が入る。
.
深く吸い込んで吐く息は白く染まって消える。
風が少しだけ吹いて私の髪を揺らす。
早く言っちゃえよ…て、せかしてるよう。
大通りでもないこの道はあまり車も人も通らない。
かと言ってまったく通らないはずじゃないんだけど。
どういうわけか、周りには誰もいない。
誰もいない。
この周りの雰囲気が「告白しちゃえよ」って私に訴えかけてるみたい。
.
A「あの…とりあえずドアから出てきてほしいな…。」
なるべく平然を装って笑う。
圭「…ん」
無表情で私とは目を合わせようとせず
ぎこちなくドアから出てきてくれた圭くん。
私の前にぶっきらぼうに立つ。
今日はバレンタインデーということは圭くんも分かっていると思う。
私は袋からアーモンドチョコレートとマグカップを出した。
圭くんは私の手元に注目する。
.
.
A「これ…バレンタインの……私からで……うん、はい」
緊張と不安で小刻みに震える手。
私のバカ。何が「うん、はい」だよ!
圭「…あ、はい」
圭くんに変な口調移っちゃったかな…。
急に恥ずかしくなる。
顔が火照る。
圭「…これは?」
圭くんはマグカップが入った箱を不思議そうに見つめる。
A「あ。…あの、実はクリスマスプレゼント………だったりして…はい」
.
圭「クリスマス…プレゼント…なんで今更?」
.
.
.
マグカップを見つめる君を静かに見つめる私。
…好きだから。
.
.
.
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.
.
拳に再び力を入れて。
今しかない、と思ったその時には。
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.
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.
.
.
「圭くんのことが……好き、だから…だから…」
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だから…
.
「そのチョコも…本命チョコだから…」
.
君は目を少しだけ見開いて私のほうを見てくれた。
視線がぶつかる。
.
.
.
「あのね、圭くんっ…」
.
―――言い出したら、止まることのないこの想い。
伝えたいこと、たくさんあるんだよ。
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アリエル(プロフ) - 凄く感動しました!私も実は恋愛小説を作ってるんですけどあまり人気が無くて…。人気になるためのアドバイスとかありますか?教えていただくと嬉しいです! (2016年11月26日 23時) (レス) id: 8a30b15849 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki☆(プロフ) - 超感動した…私も、勇気だして好きな人に''好き''って言っちゃおっかなぁなんて… (2015年3月19日 10時) (レス) id: 039082f554 (このIDを非表示/違反報告)
ユーカ(プロフ) - 柚季さん» うおお!!遅くなったぁ!! 声綺麗だよねぇ〜…IAのソフトいつか買おうww←六兆年かっこいいよね!!一瞬ではまっちゃった…w 歌い手楽しそうでいいよね…憧れる… 教えなぁぁぁい!!あ、ケーキの名前だよww (2012年10月31日 12時) (レス) id: 4d746cf22e (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - りりさん» ありがとうございます!!本当に感謝します。泣いて下さったんですか!!嬉しいです…私は嬉しき泣きしちゃいます。:゚(。ノω\。)゚・。頑張ります!! (2012年10月25日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - ユーカさん» こっちこそ遅くなってごめん!!おお〜綺麗な声最高!!ヽ(*’∀’*)/六兆年めっちゃかっこいい!! 声優、歌い手!!めっちゃ憧れがある2つだねー!!歌い手楽しそうだよねぇ〜♪ むむっ…やはり教えてくれないのか(笑)ユーカのやつ聞いてみたいのになぁぁああ!!!www (2012年10月21日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚季 | 作成日時:2012年8月9日 21時