少女の瞳に映る世界は【ワールドトリガー】

第36話 オリ主side ページ40

SEを使えばどこにいるかすぐに分かるはずだ。

玉狛にはいない。だったら本部内にいる…？
見当たらない。



あれ、おかしいな。SEの限界、半径3kmには見当たらなかった。

実力派無職のあいつが？どこいった？



本部内を疾走していると、誰かにぶつかった。


｢うわっ！…って太刀川さん！何でここにいるんですか？｣


｢おいおい、それはこっちのセリフだぞ。高校はあるんじゃねぇの？授業。｣

｢Aか。休んだのか？｣


風間さんが太刀川さんの後ろからひょいと顔を出す。

｢はい…ちょっと色々あって…大学は休みですか？｣


｢今日はなんか知らんが休みらしい。｣

｢風間さんも意外とそういうとこは雑なんだね。開校記念日だかららしい。｣


そうだ、太刀川さんと風間さんならあいつがどこにいるか知ってるかもしれない。


｢迅、迅を見かけませんでした？｣


迅？と首を傾げたが、あー、と言って向こうを見た。


｢さっきすれ違ったよな。｣


｢あっちにいると思う。｣


｢ありがとうございます！｣

走ろうとすると、太刀川さんにおいと呼び止められた。


｢A、泣いた？｣

｢…え？｣

風)目が赤くなってるからすぐ分かるぞ。

｢嘘…。｣

目元を擦ってみると指先が濡れた。


｢いつの間にか…｣


だからこんな近くにいてもSEがきちんと働いていなかったのか。

太刀川さんと風間さんもそこからさらに追及する気はないようで、そのまま別れた。




｢迅…！｣



ひたすら走る。






廊下を駆け抜け、階段を駆け上り。


｢迅っ！｣



あいつは屋上にいた。

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ラッキー隊員

加古望

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