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「そうしてくれないと、僕としても君を見定められないからね。困るんだよ。」

生徒のことをよく知っておくのも、先生の役目だからね!と五条先生は胸を張ってそう言った。

「そうです、ね。困ります、よね。」

まだ溢れてくる笑みをなんとか抑えながら、私は先生を見た。

「今度の、交流会。呪術師さん達と、戦うことになるなら、多分私は、使います、よ。」

必要がありそうだから、と言う意味でそう答えれば、五条先生は「あっ。」とこぼした。

「え?」

「あっ……あー、交流会、ね。そっか、交流会があったね。」

交流会の話題を出した途端、五条先生は明らかに動揺した様子で、いやー、忘れてたと笑った。

「……。」

こう言う時、野薔薇ならきっとこうする。私はジト目で先生を観察した。すると先生は私の視線から逃れるように、急に何かを思い出したかのようなそぶりをした。

「あ、僕そろそろ行かなきゃ。交流会の打ち合わせがあるんだった。」

「それは、大事、です。」

「うん。それじゃあ。」

五条先生はそういってくるっと、私に背を向けた。私も野薔薇達のところに戻ろう、と先生とは逆の方向に向けて歩き出した。

お互いに歩き出して少しした頃、後方で先生の「あ。」と言う呟きが聞こえた。

「そう言えば、A。」

くるっと振り返ると、先生は私の方を見て、笑いながら小首を傾げた。

「伊地知になんかした?」

伊地知さん?

その質問に、わたしは少し考えた。伊地知とはこれまで一、二回しか会ってないはず。記憶を遡りながら、私は先生に向けて答えた。

「して、ない。」

なにもしてない、な。しいていえばお喋りしただけだ。記憶をもう一度遡りそれを確認した私は、うん、と頷いた。

「そ。ならいいや。」

「はい。」

じゃあ終わりだよね、と私は先生に頭を下げ、「しつれい、します。」と挨拶をしてから駆け足で野薔薇達のところへと向かった。

そんな私の背中を押すように、一陣の風が吹き荒れた。

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柑橘(プロフ) - 尊都さん» ご指摘ありがとうございます!変更させていただきました。またなにかお気づきの点があればコメントください。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - 稔米さん» ありがとうございます!五条先生とはギスギスして欲しいのでこのまま緩くやっていきたいです。 (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
柑橘(プロフ) - わかたくさん» ありがとうございます。更新頑張ります! (2020年11月26日 3時) (レス) id: 3b878783b1 (このIDを非表示/違反報告)
尊都(プロフ) - 五条先生ってみんな下の名前じゃありませんでした? (2020年11月26日 2時) (レス) id: 6a52012404 (このIDを非表示/違反報告)
稔米 - 好き過ぎます!なんかこれから色んな事実が発覚してくのかなーと楽しみにしておりマス!私は五条さんとの絡みが好きです!なんか甘々じゃない感じの…w (2020年11月25日 22時) (レス) id: 861890d0d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:柑橘 | 作成日時:2020年11月24日 1時

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