英斗総合病院。

☆ ページ17

病院に着き、
大倉先生が先に車から降りて
「車イス借りてくるな。」って
病院に入っていこうとしたとき、


？「おーくらぁ！」


大倉先生の名前を呼ぶ声が聞こえて
病院の入り口の方を見ると、
白衣を着たお医者さんが
車イスを持って出てきてくれた。


大「亮ちゃん！」


どうやらこのお医者さんが
大倉先生のお友達らしい。


錦「車イス持ってきたで。

こっち移れる？」


2人に支えられながら何とか車イスに移る。


錦「初めまして。

整形外科の錦戸亮いいます。

お名前は？」


車イスに座るとお医者さんが
目の前にしゃがんで話しかけてくれる。


「A…Aです…。」


錦「ありがとお、Aちゃんな^^

痛いの足首やんな？

レントゲンの準備できてるから

すぐ撮りに行こな。」


そう言うと車イスを押して歩き出した。


大「ごめん…。

俺学校戻らなあかんねん…。」


「えっ……」


(……大倉先生、行っちゃうの…？)


心の中ではそう思ったけど
そんなワガママ言えるはずもなくて…。


錦「おん、わかった。

大倉も仕事中やもんな。

Aちゃんのことは任せとき^^」


大「亮ちゃん、ありがとお^^

ほなAちゃん、亮ちゃん優しいから

大丈夫やで。

また様子見に来るからな^^」


そう言って私の頭を撫でると
車に乗って行ってしまった。


大倉先生がいなくなったことで
一気に心細くなる。


錦「…ほな行こか^^」


錦戸先生か車椅子を押して
レントゲン室へ連れてってくれた。


レントゲンを撮影し終えると
人がいない診察室に連れていかれ、
ベッドに横になると
看護師さんが痛み止めの点滴を
してくれた。


注射は嫌いだったけど、
とにかく足の痛みを何とかして
欲しかったから
大人しく針が刺されるのに耐えた。


「もう少ししたら先生来ますからね^^」
って看護師さんの言葉通り、
しばらく待ってると錦戸先生が来た。


錦「Aちゃん、ごめんなぁ。

お待たせ^^

どお？お薬効いてる？」


痛み止めのおかげかだいぶ痛みは
楽になっていたので頷いた。


錦「…あんな？

Aちゃんの足、残念やけど

骨折れてまってるねん。」


レントゲンの写真を示しながら
ゆっくり話し出した錦戸先生。


素人の私でも分かるくらい
ポッキリ骨が折れていた。


何となく分かってはいたけど、
実際に言われるとやっぱりショックで…。


骨折なんて大怪我したのは初めてだから
これからどうなるんだろうって
すごく不安になった。

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