9節目 ページ26
「あ、あ、あああ。」
思い出してしまった。全て、思い出してしまった。
姉を壊したのも、妹の脚を奪ったのも、家族を殺したのも、全部ぜんぶ、自分だったのだ。
「そうだよ。ぜんぶ全部貴方が悪い。」
声がだんだん鮮明に聞こえてくる。
ああ、何度も聞いた声だ。
「妹が自分を何度大好きだって言ってくれようが、許してくれようが、何も変わらない。
貴方は、妹から大切なものを奪って行った!それなのに、妹が大好き?笑わせないで!」
笑いを堪えるように声が震えている。
「嗚呼、馬鹿らしい。虫唾が走る。貴方なんて、ただの塵屑でしかないのに!ねえ、何で?
なんで生きてるの?貴方があの少女騎士になれるわけない。
貴方が、ううん、私が正義の魔法少女になんか、なれるわけない!」
「分かってるよ!分かってる!分かってるよぉ……!」
泣きそうなほど震える、笑ってそうな声。いつも聞いている声。切り離せない声。
自分の、声。
醜く、卑屈で、浅ましい、愚かな、自分の声。
「分かってるんなら、さっさと、死になよ。」
苛立ったように、首に手をかけられる。
醜く歪んだ顔が見えた。
ああ、自分は、こんなに酷い顔をしているんだな。
12人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆずぽん(プロフ) - 実麗@受験生(建前)さん» あああ、ありがとうございます!そう言っていただけると幸いです……! (2017年11月26日 22時) (レス) id: 557f97ce01 (このIDを非表示/違反報告)
実麗@受験生(建前)(プロフ) - ゆずぽんさん» いえいえ!格好いいアクションシーンに一役買えただけでも嬉しいですし (2017年11月26日 18時) (レス) id: 58144b90d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - 実麗@今年の誕プレは9mm口径モデルガンだったさん» ありがとうございます!折角貸してくださったのに、出番少なくてすみません・・・・・・。 (2017年11月26日 17時) (レス) id: b5c0886d76 (このIDを非表示/違反報告)
実麗@今年の誕プレは9mm口径モデルガンだった(プロフ) - 完結おめでとうございます!アンタレスを使って頂いてありがとうございました〜*^^* (2017年11月26日 9時) (レス) id: 80fcad1283 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - ありがとうございます!使わせていただきます! (2017年11月11日 20時) (レス) id: b5c0886d76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆずぽん | 作成日時:2017年9月13日 0時