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「あ、あ、あああ。」

思い出してしまった。全て、思い出してしまった。

姉を壊したのも、妹の脚を奪ったのも、家族を殺したのも、全部ぜんぶ、自分だったのだ。

「そうだよ。ぜんぶ全部貴方が悪い。」

声がだんだん鮮明に聞こえてくる。

ああ、何度も聞いた声だ。

「妹が自分を何度大好きだって言ってくれようが、許してくれようが、何も変わらない。

 貴方は、妹から大切なものを奪って行った!それなのに、妹が大好き?笑わせないで!」

笑いを堪えるように声が震えている。

「嗚呼、馬鹿らしい。虫唾が走る。貴方なんて、ただの塵屑でしかないのに!ねえ、何で?

 なんで生きてるの?貴方があの少女騎士になれるわけない。

 貴方が、ううん、私が正義の魔法少女になんか、なれるわけない!」

「分かってるよ!分かってる!分かってるよぉ……!」

泣きそうなほど震える、笑ってそうな声。いつも聞いている声。切り離せない声。

自分の、声。

醜く、卑屈で、浅ましい、愚かな、自分の声。

「分かってるんなら、さっさと、死になよ。」

苛立ったように、首に手をかけられる。

醜く歪んだ顔が見えた。

ああ、自分は、こんなに酷い顔をしているんだな。

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設定タグ:魔法少女は星に詠う   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ゆずぽん(プロフ) - 実麗@受験生(建前)さん» あああ、ありがとうございます!そう言っていただけると幸いです……! (2017年11月26日 22時) (レス) id: 557f97ce01 (このIDを非表示/違反報告)
実麗@受験生(建前)(プロフ) - ゆずぽんさん» いえいえ!格好いいアクションシーンに一役買えただけでも嬉しいですし (2017年11月26日 18時) (レス) id: 58144b90d3 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - 実麗@今年の誕プレは9mm口径モデルガンだったさん» ありがとうございます!折角貸してくださったのに、出番少なくてすみません・・・・・・。 (2017年11月26日 17時) (レス) id: b5c0886d76 (このIDを非表示/違反報告)
実麗@今年の誕プレは9mm口径モデルガンだった(プロフ) - 完結おめでとうございます!アンタレスを使って頂いてありがとうございました〜*^^* (2017年11月26日 9時) (レス) id: 80fcad1283 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずぽん(プロフ) - ありがとうございます!使わせていただきます! (2017年11月11日 20時) (レス) id: b5c0886d76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆずぽん | 作成日時:2017年9月13日 0時

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