お泊まり計画 ページ21
月曜日と水曜日、そして時々金曜日に私たちはバイトのシフトを入れている。
個人経営の喫茶店でオーナーが集めるアルバイトの殆どが学生。小規模で経営しているため仕事をしつつ談笑をする、となんとも素晴らしいバイト先だ。
「Aちゃん、優太くん。デザート食べてく??」
「まじっすか!いいっすか!?」
『わー、まちさんありがとうございます!』
オーナーであるまちさんは人当たりのいい、元気なお姉さんのような人だ。
バイト終わりにはよく賄いをくれる。しかも美味しい。
まちさんは某探偵アニメが好きらしく某喫茶店を真似て開業したらしい。
言われてみれば少し内装が似ている気がした。
バイトがある日は送る、と言う優太に甘えて家まで軽く談笑をする。
今日も、私が玄関に入るまで見届けてくれる優太に手を振って家に帰った。
夕飯を1人虚しく食べているとソファに座るお母さんが口を開いた。
「今度三連休あるやろ?そん時大吾くんが遊びに来るらしいんよ」
『長期やなくて三連休に来るん?』
「長期やから来れへんのやろ、廉くんのとこ泊まるらしいねんけど、アンタも泊まれば?」
『はぁ?私もう高校生やで?小学生の時とは違うわ』
私も元はと言えばバリバリの関西出身で。普段は標準語を極めているが家ではこんな感じだ。
標準語は優太に教えてもらった。実際は特に何も学んではいないが優太は俺が教えたと嬉しそうに笑って自慢しているのでそういうことにしている。
『おばちゃんも迷惑やろ、高校生3人が泊まるって』
「Aちゃんおいで!って言うとったで。」
『はー?でもテストあるやん』
「テスト終わった週やわ、アホか」
『だーー、私永瀬と喧嘩中なんよ、知っとるやろ?』
「はよ仲直りしなさい!!ったく、結婚するとか言うとったのに」
思わず飲んでいた味噌汁を吹き出しそうになる。
お母さんを見れば怪訝そうな顔をしていたがあんたのせいや。あんたのせい。
『昔を掘り返すなって言うとったよな!?なんで昔の話するん!?恥ずいわ!!!』
「でも真剣な顔しとったもんなぁ。私もそうなる思ったんに、なーんでこんな長く喧嘩しちゃうのかしら」
『とにかく私は泊まらんから。おばちゃんには連絡しとく。』
ご馳走様、と席を立ちお風呂に入る前に携帯をいじる。
大吾と永瀬から同じ連絡が入っていたので同じ言葉を2人に返してお風呂に向かった。
"泊まるやろ?"
"泊まらん"
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さくさくぱんだ(プロフ) - 完結おめでとうございます!読み度涙が止まりませんでした…。続編是非読みたいです!!!! (2020年1月3日 5時) (レス) id: e39a486ce6 (このIDを非表示/違反報告)
ふみか(プロフ) - 完結おめでとうございます。続編本当に待ってます!!!!!!一生のお願い!笑笑 (2019年12月15日 23時) (レス) id: cdb1cf462c (このIDを非表示/違反報告)
yimm(プロフ) - 完結おめでとうございます!afterstoryぜひ読みたいです☆ (2019年12月15日 15時) (レス) id: 72bd3737bf (このIDを非表示/違反報告)
寧々(プロフ) - 思わず一気読みしてしまったんですが、泣いてしまいました(;o;)是非after story読みたいです! (2019年12月15日 13時) (レス) id: dfd709edb9 (このIDを非表示/違反報告)
ちな - 完結おめでとうございます!最後キュンキュンもしたし、涙も出てきて………時間があるのなら、アフターストーリー読みたいです!楽しみにしています!! (2019年12月15日 9時) (レス) id: 047315094b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚木 | 作成日時:2019年10月16日 22時