山姥切長義の"もしも" (ページ33)

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甘酸っぱい雰囲気ページ33

愛姫side
あまり眠ることも出来ないまま、翌朝を迎えた。
支度をして部屋を出る。
昨日とは違い、いつも通りの朝。
秋田「おはようございます。山姥切さん」
国広「おはよう秋田」
長谷部「長義。今日は昨日の本丸破壊箇所を見つけて修繕費用などを見積もる。手伝え」
長義「わかっているよ。もとはと言えば、俺のせいだしね」
愛姫「お兄ちゃんのせいじゃないって。あのくそ野郎が悪いの！」
長義「くそとか言うな」
長谷部「お前が言うな」
乱「そうそう。大倶利伽羅さんが泣いちゃうよ」
愛姫「な、なんでそこで伽羅が出てくるの」
次第に声が小さくなっていく。
鶴丸「何だ何だ。顔が赤いな、愛嬢」
太鼓鐘「伽羅に何か言われたのか？」
愛姫「言われてない。けど・・・」
鶴丸、太鼓鐘「「けど？」」
ずいっと詰め寄る二振り。
愛姫「二振りしてそんな詰め寄らなくて良いじゃん！」
タタタッと広間の中に逃げる。
一期「おはよう愛姫。おや、顔が赤いよ」
薬研「おっと。いち兄、そいつを聞くのは野暮ってもんだぜ」
一期「え？・・・あぁ。ごめんね、愛姫」
愛姫「うぅ～」
獅子王「あれ。大倶利伽羅、今日出掛けるのか？」
伽羅「・・・少しな。万屋に」
チラリと私を見る伽羅。
パッと顔を背けてしまう。
鯰尾「うわ。甘酸っぱい雰囲気漂ってる。ほらほら、ここ迂回していこうな」
五虎退「え？え？」
骨喰「別に通ってもいいだろう」
鯰尾「ちっちっち。かの御仁がこちらに近づいているのがわからんか」
厚「はぁ？」
粟田口のみんなを遠ざけていく鯰尾。
私は伽羅が近づいているのに気づいていなかった。
肩を掴まれる。
愛姫「へ？」
始めは誰に掴まれたのかわからなかった。
から、振り返った。
愛姫「伽羅・・・」
伽羅「やっと俺を見たな・・・」
今度は顔を掴まれる。
こんなことされたら、顔を背けることなんて出来ない。
長義「はーい。朝食を食べるために席に着こうかー」
私の手を取って席につれていくお兄ちゃん。
愛姫「ありがと。助かった・・・」
まだ顔が熱い。

大倶利伽羅side
獅子王「おー。やっぱ、長義が兄ってなると、中々苦労するだろ」
伽羅「だから何だ。俺は必ず手に入れてみせる」
獅子王「ま、頑張れよ。・・・なんか贈り物するなら、燭台切と行ったらどうだ？」
伽羅「いや。俺が選ぶ」
愛姫の髪色に映える色は、俺が一番わかってる。
俺は朝食を終えると、愛姫の髪結い紐を選びに、万屋へ向かった。