予感 ページ11
なぜ、無線をきった。
土方さんの質問にはこう答えた。
桐鳥「土方さんのこと、信じてましたから。」
土方「…………………は??」
桐鳥「銃声が聞こえたら、すっ飛んで来ると信じてました。」
彼は、そういう人なのだ。
なにか嫌な予感や銃声がしたらすぐに動く。
そんなクセがついてしまっているんだろうね、きっと。
たまに空振りするから直した方がいい、と先日局長にも言われていた。
私は直さなくてもいいと思う。
だって、こんなふうに助けられた人が、私以外にもいるから。
前の粛清で。
攘夷志士に子供が誘拐され、人質にされた時。
誘拐犯の粛清後に、土方さんは言った。
土方「……………嫌な予感がするな。」
誘拐された子供はみんな助けた。
これで事件は解決。
なのに、彼はまた誘拐された子供たちがいた建物に入って行った。
近藤「………トシ、どうかしたのか?」
桐鳥「わからないです、嫌な予感がする、とだけ言って、」
土方「近藤さん!!!」
紙を手に土方さんが帰って来た。
桐鳥「土方さん、それは」
土方「あいつらの予定表だと思う、人数少ねぇと思ったら、手分けしてやがった!」
こちらの行動は、予測されていた。
その紙には、いつ、どこで、何をするまで細かく書かれていた。
桐鳥「…………………この筆跡、お手紙と同じ、じゃないですか?」
その筆跡は、誘拐犯のものと一致した。
そして、捕らえた攘夷志士も、その紙を見て口を割ってくれた。これは我々の実行することだ、と。
実行予定表には、ターミナルの爆破も含まれていた。そのため、攘夷志士グループの残りも探し出し、粛清した。
土方さんがこの紙を見つけなかったら、そもそも嫌な予感を感じなかったら。
そう思うと、土方さんには頭が上がらなかった。
あの時の彼の予感で、江戸が救われた。
そう言っても、過言ではない。
今回、私は彼の"予感"にかけた。
彼の"行動力"にかけた。
そのことを、ちゃんと彼に伝えた。
助けてくれた、お礼と共に。
桐鳥「…………………土方さん?」
私の身長に合わせて、ご丁寧に屈んでくれている彼は、俯いているため顔を見せてくれない。
すると。
私の肩を掴む手の力がふにゃっと抜けた。
土方「お前、なぁ………………………………」
桐鳥「お説教なら屯所でお願いしますね。」
土方「いや、ちがっ、そういうことじゃないんだ、ただなぁ、」
「はーいそこまでー」
誰かが私の腕を引いた。
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エルマロ(プロフ) - 続きが気になる… (2020年6月6日 12時) (レス) id: 4f30ca6216 (このIDを非表示/違反報告)
エルマロ(プロフ) - 面白いですね!更新頑張ってください! (2020年4月29日 13時) (レス) id: 4f30ca6216 (このIDを非表示/違反報告)
#性別行方不明 - ご指摘ありがとうございます!!!小五郎になってましたね、申し訳ございません。 (2019年4月29日 15時) (レス) id: c7972307f2 (このIDを非表示/違反報告)
ノーマン愛してる - 小太郎です (2019年4月25日 20時) (レス) id: af0233cc60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:#性別行方不明 | 作成日時:2019年3月31日 19時