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141話 ページ49

鬼鮫にはすぐに帰るからと伝え、オレは近くのコンビニで水を買い神威でまた時空間に戻った

オ「A、水買ってきたぞ」

しかし、Aからの返事はなかった そこで横になっているのにうんともすんとも言わない

オ「A? 」

どうしたんだ? と言おうとAの顔を覗き込む、すぐに答えがわかった…Aはぐっすりと眠ってしまったのだ

オ「はぁ…寝るなよ、と言ったのに…」

仕方ないと思い、オレはAを横抱きにして時空間を出た 出た先はアジト近くの森なので誰にも見られずに帰れる アジトの明かりが見えた辺りでAを起こそうとすると

「んん…」モゾモゾ

オレの腕の中で身をよじりまるで猫のように丸まっていたので…思わずじ〜っと見入ってしまった

オ「いかんいかん…早くコイツを部屋で寝かさないと風邪をこじらせてしまう」

その時オレはふと、Aと出会った時のことを思い出した

最初に出会った頃は痩せボソリで、チビで、髪は荒れ放題だった…だが、コイツはオレ以上の孤独を味わい一族最後の生き残りという業を背負って今まで生きてきた…

それでも、今を楽しそうに生きている、なにより各国指名手配犯のオレたちを家族として見てくれる

それに、お前はどこか___リンと似ている

顔も違うし大食いでもないが…優しくて、あかるくて、思いやりがあって、誰かのために一生懸命になれる オレの大切な人…

そんなリンと似たお前を……オレは…

オ「……」

オレは無意識にAの頭をそっと撫でた、偶然なのかAは嬉しそうに笑っていた

そして、気がつけば既にアジトの前だった さっきからガヤガヤと騒がしい

オ「…うるさいなぁ…Aが起きるだろ…」

そう言っていつものトビに戻り、扉を開けるとキッチンのすぐ近くで鬼鮫とサソリが何やら顔をしかめていた視線を感じたのか鬼鮫がこちらに気づくと小走りで寄ってきた

鬼「トビさん! おかえりなさい なんでAさんは寝ちゃってるんですか?」

ト「シーッ! 色々めんどくさいので説明はあとで、それでまだケンカは続いてるんですか?」

鬼「それが…」

キッチンを指差す鬼鮫、見た方が早いという事だろうAをあずけ、キッチンを見ると…

デ「もっとトウガラシ入れろッ!」
イ「火力が足りんッ! 天照ッ!」
飛「牛肉ッ! 卵ッ!」
角「山椒ッ! ハバネロッ!」
白・黒「刻みネギ〜・豚バラ」



オ(いったい…なにを作っているんだ…)汗

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作者名:溝呂木 | 作成日時:2019年9月14日 19時

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