「もうわかったって」(S.S) ページ9
.
「俺たちと愛しあってこーぜ！」
たくさんのスポットライトに照らされ、キラキラの衣装を纏い、歌って踊って、大勢いる女の子たちに愛を届ける。
それが私の大好きな末澤誠也という男だ。
『いいなぁ、私もファンサほしい』
アンコールでトロッコに乗り込んだ彼が、皆の色とりどりな団扇に応えていく。ハートを作ったり、抱きしめるフリをしたり。
嬉しそうにはしゃいでいる女の子たちが羨ましくてちょっぴり妬ましい。
『うぅ……かっこいい……』
カメラに向かって指を差す彼に、心臓が一際大きく跳ねる。速まっていく鼓動を抑えようと左胸に手を当てたけど、全くの無意味。ドキドキはずっと変わらず私の中で響いていた。
「……なぁー、ええ加減見んのやめへん？」
振り返ると、眉間に皺を寄せたまま頬杖をつき、つまらなさそうに私を見つめる彼と目が合う。
もうちょっと、と答えたら余計に皺が深くなってしまった。
「本物おるやんか」
『アイドルの誠也くんは画面の中にしかいないの』
「はぁ？ なんやねんそれ」
オンの時より少し低めの声にセットされていないさらさらな髪の毛。
それだってもちろん大好きだけど今の私が見たいのはキラキラアイドルな誠也くんなんだもん。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1136人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆの(プロフ) - ゆきまろさん» こちらの方までありがとうございます！ 佐野担さんに喜んでもらえたなら大満足です！！ (2022年10月26日 10時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - 佐野担の私は無事に死亡しました、、、これ何回も読みます、、！ (2022年10月25日 23時) (レス) id: fd73da006f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆの | 作成日時：2022年10月25日 4時
