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理解できない、という顔をした彼は案の定機嫌を急降下させ、大きなため息をついてゆっくり立ち上がった。
テレビから流れる音楽に混じり、スリッパの擦れる音と扉の閉まる音が小さく鳴る。
怒らせたかったわけじゃ、ないのに。
焦りが喉を詰まらせる。追いかけなきゃいけないってわかっていても身体が言うことを聞かない。
彼が消えた先を見つめたまま動けないでいると、あっさりと再び扉が開く。
「……ん」
どかり。
私の隣に腰を下ろした彼はそわそわと落ち着きなく、ずっと頬や鼻を触っている。
照れているときにやる、その仕草。
よく見るとさっきまでと違って髪の毛が整えられているし、いつもつけているお気に入りの香水の匂いがする。
「……Aが会いたがってた、俺やねんけど」
耳の付け根まで真っ赤に染め、唇を噛む彼に好きって気持ちが一気に膨らんでいく。
あぁもう私の彼氏が可愛すぎてつらい。
『誠也くん』
「なに」
『大好き』
彼の胸に飛び込むと、一瞬びくりと肩を揺らしてからすぐ腰に手を回して抱きしめてくれた。体温がじんわりと混ざり合い、私の胸いっぱいに誠也くんの匂いが入ってくる。
「ほんまお前面倒い」
『あー、誠也くんはそんなこと言わないもん』
「もうわかったって」
ちゅっ、と軽い音が響き、いきなりのことにびっくりして黙り込んでしまう。
そんな私を見て、彼はしてやったりと満足そうに微笑むのだった。
「どんな男がタイプなん？」(K.K)→←「もうわかったって」(S.S)
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ゆの(プロフ) - ゆきまろさん» こちらの方までありがとうございます！ 佐野担さんに喜んでもらえたなら大満足です！！ (2022年10月26日 10時) (
レス) id: a2597d3538 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - 佐野担の私は無事に死亡しました、、、これ何回も読みます、、！ (2022年10月25日 23時) (レス) id: fd73da006f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆの | 作成日時：2022年10月25日 4時
