深紅.

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キヨside

最俺ハウスについた俺は少し息が上がっていた
玄関を開けて、Aの部屋へと続く廊下に足を1歩踏み入れた時に
廊下には行為中と思われる声が響いた

俺は“まさか”と思って走り出した
扉をあけるとその“まさか”だった

Aは今まで見たことないぐらい乱れて、一瞬誰か分からなかった

キヨ「なにしてんの」

思わず出た声はそれだけだった
怒りと驚きが俺の頭と心を苦しめてゆく

すると「助けて」とAの声がかすかに聞こえた

俺は無意識に黙ってAに近づいてゆく
「どけ」そうフジとヒラに言い放つ
そしてAの唇にキスを落とした

キヨ「もう俺のもんだから触れるな」

そう真顔で言った

Aはそのまま微動だにしない

フジ「おもんねぇ」

ヒラ「結局そうなるの」

2人は口々に文句を言って、服を着る

キヨ「早くこの部屋から出ろ。あとで話あるから、実況部屋で待ってろ」

俺は低い声で言うと2人とも渋々出ていった

Aは未だに動かないし、そもそも息をすることさえ忘れてるように見える

キヨ「早く服着ろ」

俺は裸のAから目を逸らしてそう言った

「ごめん、ありがとう」そう言いながら、慌てて服を着たA

ベットの上のAは手枷と足枷がついている

キヨ「手と足、外してやるやから来い」

そっと手と足だすA
外してやる時に、なぜか分かんねぇけど涙が一筋出てしまった

「どうしたの」

キヨ「1人にして、助けてやれなくてごめん」

「気にしないで」

Aの顔を見上げると優しく微笑む顔があった
でもその瞳は潤んでいた
その顔と向き合えなくて俺は部屋を出た

実況部屋に行くとヒラとフジは拗ねたように座っていた

キヨ「なんで、あんな事するんだよ。あいつに手出すな」

ヒラ「どうせ、キヨのもんになるじゃん？だからその前にしたかった」

フジ「なんでそんなあいつに優しくすんの？」

2人は口々に言う

キヨ「いいだろ別に。Aを傷つけんなよ、今まで十分傷ついたんだよ。次あんなことしたら、この生活を終わりにする」

俺は静かにキレていた

キヨ「俺はどうなっても構わねぇし。こーすけに言うからな」

Aを大事にしないこいつらに
Aを閉じ込めた俺に

ヒラ「分かったけどね、どうしたの？キヨ」

フジ「キヨ、どうしたんだよ」

俺もそれは分からねぇ

キヨ「さぁな？そうだ明日、こーすけが職場に3人で来いって」

俺は話をはぐらかせて、それだけ伝えてAの部屋へと足を進めた

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