深紅.

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キヨ「何言ってるんだA！」

私の後ろでキヨは叫んでいる

ヒラ「一緒に逃げよう」

ヒラの悲痛な叫びも聞こえる
私の目の前のこーすけは呆然として立ち尽くす

「私はもういいの、逃げるのも人を殺すのも疲れた」

私は軽くため息をついた

「私を捕まえてよ」

こーすけを強く睨んだ
それで我に返ったようでこーすけは慌てて手錠を出す

こーすけ「殺人容疑で闇の蝶、いや眞鍋Aを逮捕する」

私の手首に冷たい手錠をはめられた

キヨ「A！」

キヨの泣きそうな叫び声が聞こえた

ヒラ「誰のためにここまで逃げたんだ」

ヒラの絶望するような声も聞こえる

「最初からこうすれば良かったのよ、キヨ達には私の知らないたくさんのことを教えてくれた」

私は少し涙が出た

「人を大切にする事、愛する事、全部知らなかった大事な事を教えてくれてありがとう」

涙は止まらない

「だから闇の蝶としてじゃなくて、眞鍋 Aとして本当の私で恩返し出来た」

私は振り返って

「本当にありがとう。愛してる」

思いっきり笑った

こーすけ「行くぞ。おい、あいつも連れてこい」

こーすけの言葉に疑問を抱く

「あいつって？」

私の言葉の後に聞こえたのは

フジ「やめろ、離せ」

捕まったフジの声だった

「全員見逃すはずじゃ！」

こーすけはニヤリと笑った

こーすけ「あの場にはフジは居なかったろ？」

私は鳥肌がたった

こーすけ「こいつは別だ」

人は信じてはいけない
そんなことを1番知っていた私が油断した

「そんなのダメよ、離して」

私は抵抗した

「フジを連れて行かないで」

私の悲痛な叫びはこーすけには届かない

フジ「くっそ！離せ」

私とフジは強制的に連れて行かれる

「キヨ、キヨー！」

私はキヨの名前を必死に叫んだ

キヨ「A！フジ！」

最後に私が見たキヨの姿は泣いていた

______私が今まで生きていた世界は警察を毛嫌いしていた

単に捕まって人生が終わるとかではない

警察は約束を守らない
信じられないからだ

色々な罪を擦り付けて逮捕する

だから嫌いだ

ずっとこの世界で生きてきた
しかし、私には隙がありすぎた

愛する者が弱みになる

分かりきっていた

だからこそ、私は人との関わりを持たない
色々な人に化けて1人で生きてきた
いつの間にか、黒く染まっていた血が綺麗な紅の血に化けようとしていた

もう遅いのに…ね

でも愛する者が時には強みになることもある


キヨ「A、逃げよう」


こうなる日がそう遠くない

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