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こーすけが皮肉そうに笑ってる
こーすけ「闇の蝶さんよ、俺はお前が狙いなんだ。もしキヨ達を救いたいのなら自主をすれば、見逃すつもりなんだよ」
こーすけは私の弱い部分をついてくる
キヨ「こーすけ、お願いだ。Aじゃなくて俺を連れて行け、拷問でもなんでもしろ」
後ろから聞こえてくるキヨの声は今にも泣きそうだった
ヒラ「Aちゃんのためにここまで逃げてきたんだ。罪滅ぼしさせてくれよ」
ヒラの悲痛な叫びが聞こえてくる
こーすけ「お前らがそう言わずともこいつは逃げるぞ。闇の蝶だぞ?自分を犠牲にするほど甘い考えは持ってねぇよ」
こーすけはフッと嘲笑い、こちらと目を合わせる
こーすけ「そんな考えを持ってるとお前が生きてる世界では命取りだもんな」
こーすけは大声で笑った
私は何も言えず下を向いた
さっきまでのキヨ達とは違い、こーすけが現れた瞬間、気が抜けた
こーすけに弱いんだ
親友っていう存在を私は知らない
でもキヨ達にとってはとても大切でかけがえのないものなんだ
キヨから人の大切さを教えてもらった今の私なら分かる
キヨ「逃げろ」
ヒラ「俺らのことなんか気にするな」
キヨとヒラの声が飛び交う
私は振り向きながら「キヨ…ヒラ…」彼らの名前を呟いた
ヒラ「罪悪感なんて捨てろ。闇の蝶だろ?」
ヒラはふんわり笑った
これが彼の本当の笑顔だと確信した
キヨ「頼むから逃げてくれ」
キヨは今にも泣き出しそうだ
こーすけ「闇の蝶、逃げるか自主するかを決めろ」
こーすけは狂ったように笑っている
「キヨ、ヒラ。ごめん」
私は走り出した
こーすけ「キヨ、ヒラ、今の気持ちはどうだ?」
こーすけは楽しそうに笑い声を上げた
私は耳を塞ぎたくなった
逃げちゃダメだって分かってる
昔とは違う。人の温かさも人の優しさも人を想う気持ちも全部知ってる
______今の私は逃げない
私はキヨとヒラを羽交い締めにしている警官達の後ろに回り込んだ
こーすけ「後ろ!」
こーすけの声が響く頃には警官の喉をかき切った
キヨ「A」
キヨに思いっきり抱きしめられた
ヒラ「逃げてくれて良かったのに」
キヨから解放された私に、ヒラは頭をポンポンとしてくれた
こーすけは今だに唖然としている
「こーすけさん、私は逃げないわ」
私はナイフやらハンドガンを下に起き、こーすけに近づいていく
「私が自主すればキヨ達を助けてくれるんでしょ?手錠はめてよ?」
私はこーすけの前に立って手を出した
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ゆゆ - これは1つの私の答えです。彼女の最期など皆様の答えは違うと思います。是非お聞かせ下さい (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - サム達を残して逝ってしまう悲しさ不安さがどこかにあり、満月は彼女の気持ちと同じく暗闇に隠れてしまいます。彼女の壮絶な人生と狂った恋愛を許してしまうそんな世界を現しているのが月の光。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 解説です。月の光は楽しくもあり悲しくもあるどちらともいえない曖昧な世界を表現した曲と言われています。サムと過した日々は楽しいですがキヨの想いが彼女を苦しめたためにどちらともいえないと発言しています。 (2020年4月30日 16時) (レス) id: 4afcd35675 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - 孤黒さん» ありがとうございます!その言葉全てが嬉しいです!マイペースすぎて進まないですが最後まで最善を尽くしてこだわらせてもらいますのでよろしくお願い致します! (2020年4月23日 15時) (レス) id: f9b5f66733 (このIDを非表示/違反報告)
孤黒 - 完結おめでとうございます!こんな感じのお話を読んだのは初めてでした。とっても面白かったです!最後まで雰囲気を崩さない所とか、素晴らしいなぁと感心しております。「唐紅」の方も楽しみにさせて頂きます!最後まで応援しております! (2020年4月19日 23時) (レス) id: 785222cc26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2019年8月30日 1時