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江口side
2日後
母「もう帰るのかい?早いねぇ。」
「明日から仕事あるからね。江口先輩も。」
江口「お世話になりました。」
父「また来るのじゃぞ。」
江口「はい、ありがとうございます。」
「たまに連絡するね。」
母「えぇ。待ってるわ。」
「またねー!」
Aはご両親に手を振る。
やっぱり、子供の面影が見えるな(笑)
「じゃ、駅に向かいましょう。」
江口「おう。」
…ずっと引っかかっていた。
咲波A。それがもし本当の名前なら。
江口「なぁ。」
「はい?」
江口「お前の父親とか母親ってさ、
離婚したとか、再婚したとかってあるか?」
「失礼ですね!無いですよ。
私の親はずっとあの二人ですっ!」
江口「わ、悪い。怒らせるつもりはなかった。」
「…ま、そう思われても仕方ないですけどね。」
江口「え?」
「学生の頃もずっと言われていました。
親は周りより若くない。両親のどちらとも、
顔も性格も似てない。髪の毛だってそうです。
両親2人は黒髪なのに、私は少し茶髪。
だけど、私の親は本当にあの二人です。」
江口「…そうか。別に疑ってはない。」
やっぱり、咲波Aじゃない。
こいつは絶対に月城Aだ。
今思えば、俺の見間違えだったかもしれない。
そう自分を納得させ、静かに道を歩いた。
ガタンゴトン
電車の音が響く。
今は夕方。普段なら満員電車であるはずだ。
でも田舎であるため、人っ子一人いねぇ。
Aはというと…
「スー、スー、」
俺の肩に頭乗っけて寝てる。
まじでカップルじゃねぇか(笑)
でも、それだけ信頼してくれてるんだよな、
俺の事。弱視であることを俺が知っていた時、
両親めっちゃ驚いてたもんな。
Aの過去か…
いつか、知れるようになれたらいいな。
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ひなせ(プロフ) - ひょこっ (3月22日 21時) (レス) id: d74b6f2649 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうり | 作成日時:2024年3月1日 20時