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江口side
み、見てろって言われても…
父「上を見てご覧。雲が覆ってきたじゃろう?」
江口「は、はい。」
めっちゃ曇ってきた…
でも曇ったからなんだ?怖い怖い(笑)
父「ほら、視線を戻してごらん。」
俺はゆっくり前を向く
そこには…
江口「…うわぁ、……」
無数の蛍が、暗闇の中を光っていた。
辺りの田んぼを照らして。
「蛍は、風がなく、曇ってて、少し暖かい事を
条件に光るんですよ。お父さん、
しっかり天気予報見てきたんだね(笑)」
父「よく知っておるのぉ(笑)Aは
物知りじゃのぉ。小さい頃から、Aは
ここが好きじゃったからのぉ(笑)」
「…この蛍の光なら、弱視の私でも見られるから。
綺麗だって、思えるから。だから好き。」
江口「…そうだな。蛍って良いよな。」
「いつからかなぁ、私がここに来るようになったの。
小さい頃の記憶が殆ど無いんですよね。」
江口「…そうなんだ。」
母「お父さん、Aと拓也くんも。
ご飯できましたよ。」
「戻りましょうか。」
父「そうするかの。拓也くん、景色は
どうじゃったか?」
江口「…すごく、綺麗でした。Aが見てきた
景色が見れて、良かったです。」
父「ふぉっふぉっ(笑)いい子じゃのぉ。」
「さあどうでしょうねぇ!?w」
江口「はぁああ!?んだてめぇ!」
「うわぁぁぁ!江口の化け物ォォォォォ!」
江口「まてぇぇぇぇぇ!」
「ぎゃぁぁぁあああ!」
母「元気そうで何よりだねぇ。」
父「そうじゃの。あの子ならきっと…」
母「…きっと、やってくれますよ。」
父「…ふぉっふぉっ、お前さんたち、
早く家にあがるのじゃぞ。」
「はーーーい!」
江口「よっし戻るか!」
「うす!おかぁさあん!今日の夜ご飯何ぃ!?」
母「Aの好きなカレーですよ。」
「まじで!?」
江口「まじですか!?」
母「拓也くんも好きだったかしら?」
江口「もう大好物です!」
母「それは良かった(笑)手を洗って来てね。」
「はーい!」
江口「はい!」
元気に、無邪気にはしゃぐAは、
子供っぽくも見えて、安心した。
いつも冷静で淡々としているAも、
子供の頃はこんな感じだったのだろうか。
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ひなせ(プロフ) - ひょこっ (3月22日 21時) (レス) id: d74b6f2649 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆうり | 作成日時:2024年3月1日 20時