口が悪くて何が悪い (ページ25)

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花田side

Aさんがナンパされてた。
だから、助けようとした。
でも上手く声がでなくて、怖くて、どうしようもなくて。
Aさんの方が絶対に怖いのに。なのに。

江口「おいてめぇら！」

なんでよりによって江口さんがここに居るんだよ。
しかも俺にできないことをやってのけて。

江口「俺の彼女に何すんだよ！」

ﾓﾌﾞ1「ﾁｯ彼氏持ちかよ。行こーぜ。」

ﾓﾌﾞ2「…おう。」

「……江口先輩、あざす。」

江口「ごめんな、怖かったな。」

「大丈夫っす。」

江口「ってか、花田といんじゃねーの？」

「…先出ててって言われたので。」

江口「…こんな夜に外にひとりで出すなよあいつ…」

「…ほんと、ありがとうございます。
少し、怖かったんです。助かりました。」

江口「……そうかよ。…帰るぞ。」

「え、でも花田さんが…」

江口「こんな可愛い奴を一人で暗い
外に放り出すやつなんて放っておけ。」

…たしかにそうだ。
俺はあまかったんだ。
俺にもっと勇気があれば良かったのに。
そもそも、1人にさせなければ良かった。
今日のところは完敗だな…

2人で夜道を歩いている。
まるで恋人のように。
Aさんの隣を歩いているのが俺だったら
どれほど良かっただろうか。

花田「…でも、俺だって諦めませんから。」

必ず、俺が隣を歩いてみせますよ。
江口さん。