○ ページ18
「久ぶりだね｣
ニコニコと笑う君に勘違いしそうで
こんな自分が嫌で
もう辞めたい
いっそ嫌ってくれよ
泣きそうになるとか、嫉妬するとかなれなくて俺じゃないみたいで
苦しくて、もう耐えらんないんだ
「ねぇ、アーヤ。
もう優しくしないで｣
はっ…？という顔で、いや実際にそう言っていたかもしれない
手に持っていた本がバサリと音を立てて落ちる
床の上にはぐしゃりと折れたページがカバーからはみ出していた
「なに、それ｣
アーヤの酷く歪んだ顔が1層嫌悪感を招いた
「好きでもない男を部屋に招い入れて
期待、させないで｣
なんて勝手な言い分だろうと思った
アーヤにはそんなつもり全くないのに。
俺がいつも勝手に期待してるだけなのに。
「なんで…？｣
俺は顔を上げられずにいた
まだ新しいアーヤの住まいには別の人の匂いがした
でも、それさえも腹立たしくて
かといってアーヤの匂いがしたなら俺はきっと我を忘れているだろう
「じゃあ、翼も期待させないでよ｣
「はっ？｣
今度は俺がそう発した
だって
なんで
アーヤが
そんな事言うの…？
俺はその言葉の真意がいまいち分からずにいた
だって、そんなこと
「もういいよ｣
そして、くるりと背を向けてドアに手を掛けた
「待って｣
ドアの向こうに消えかけている姿を呼び止めて
震える拳にぎゅっと力を込めて深く息を吸って
触れたくて、触れられなくて諦めたその華奢な体を抱いた
「ごめん。俺が悪かった｣
でも、やっぱり怖くて次の言葉が出ない
「お詫びは？｣
まだ震える声で
恐る恐る
それでも君にしては大胆に
「アーヤ、俺好きだよ。
アーヤのこと凄く、好き｣
長年の想いを初めて言葉に載せて届けた
△▼△
「なぁに、どうしたの〜？｣
のんびり間延びする声でまだ地に足付かず、な彼女の腰を抱きながらゆっくり歩く
「ううん、なんでもないよ｣
夜の街
ほんのりお酒が香る彼女はあの時のようにあどけなくてそこに少し色気が加わった
その色気は俺が作り出したものだと思うと何度感じても嬉しい
「ほら、あと少しだから頑張って｣
んぅ〜なんて
頑張る気０の彼女を抱えて家に帰る
あともう少しでさ、アーヤと付き合い初めて6年になるんだよ
一応告白したのは俺ってことになってるけど、ほぼ言わされたって感じだよね
だからさ
次は俺から言うから。
だから、あと少しだけ俺の「彼女｣でいてね
to be continued
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うーみ(プロフ) - お久しぶりですー！それな、ワンコ系って感じだよね笑 (2020年1月25日 19時) (
レス) id: a13d8cf9e0 (このIDを非表示/違反報告)
みずの(プロフ) - ひなです。お久しぶりです！翼風邪ひくと甘々になりそう (2020年1月23日 3時) (レス) id: d74848b20e (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うーみさん» 悩む！！！！！← (2019年10月26日 13時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - うーみさん» うぉぉおぁあぁぁあ！！！！！←←← (2019年10月26日 13時) (レス) id: 70bbe6910f (このIDを非表示/違反報告)
うーみ(プロフ) - Kさん» なるほどー、お気に入りに来ておけばすぐに見つけられるもんね どっちでもいいよ笑 (2019年10月26日 9時) (レス) id: 41901976a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うーみ | 作成日時：2019年8月27日 15時
