80-サボー ページ14
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竹やぶへ何とか辿り着き、円のように大きく広がったやぶの真ん中にある岩の上に、クレイトンさんの所持品であろう、パイプが落ちていた
パイプなんて、ずっと持っておくものでは?
どうしてこんな所に?
答えの見つからない自問自答を、脳内で繰り広げていると、なんと突然竹やぶの奥からサボーが襲いかかってきた
サボーがまずソラへ向かって一直線に突進し、食らいつこうとする所を、ソラは咄嗟に手にしていたキーブレードで、何とか防ぐ事が出来た
勢い良くソラは払い除けて見せるとサボーは後方へ下がり、今度は私に襲いかかってきた
ソ「サツキ!」
猛スピードで駆けて詰めるサボーに、私はここぞというタイミングで頬骨に一撃をくらわせ、攻撃を防いだ
一瞬怯んだようにように思えたが、サボーは間を取る間も無く竹やぶに身を潜め、次は不意打ちを仕掛けてきた
私は突然のことにかわせず、背中を大きくひっかかれた
「…きゃっ!」
「サツキ!!」
タ「サボー、危険!」
ポーションを持っていたターザンは私に手渡し、「ごめん 次は気をつけるよ」と貰ったポーションを飲み干し、キーブレードを構えてまた振り続けた
かなり長く両者の攻防戦が続き、体力も消耗しているはずなのに、喉をグルルと唸らせ、まだこちらに威嚇するサボー
だがそこから一分も経たぬ内にサボーが先に力尽き、長年傷ついたその体は地に落ちた
「はあ、はあ……、倒せ、た」
倒せた事に安堵した私は、力なく体は横に、地面に倒れ込んだ。そして頭上から誰かに大きな声で私の名を呼ばれるが、キズが痛むから大きな声で呼ばないで欲しいと願う
ソ「ドナルド!ポーションまだある?」
ド「う、うん!」
ドナルドからポーションを預かったソラは、私を横向きからソラ自身が私の背中を見せるような体制にすると、貰ったポーションを満遍なくかける
「イ、イッター!!」
ソ「あ、コラ!暴れるな!」
「ぜえ、ぜえ……、この痛み君にはわかんないでしょ!」
「いや、わかんないけど!」
時間が経つにつれて、少しずつ染みるような染みるような痛みが和らいでくると、私の意識もハッキリとしてきて、礼を言うとゆっくり立ち上がった
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