死蝶は舞う2〔龍が如く〕 (ページ30)

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漆拾参ページ30

貴方side

貴方｢大三江病院までお願いします｣

まじにぃがやっぱり心配でタクシーで病院に向かう途中、浅田の事を忘れていたので電話をかけるとワンコール目で電話に出た

貴方｢あさd((｢親父ぃ!もうこんな時間まで何をやってるんですか！｣色々あって…｣

大声で怒鳴る浅田の声に思わず耳から携帯を遠ざけるとちゃんと聞いてるのかと更に怒られた

貴方｢＿＿＿＿って事があって、今まじにぃがいる病院向かってるから組の仕事は任せた。じゃｯ((｢ちょっt｣｣

"ﾋﾟｯ"

これで仕事は大丈夫だろう

運転手｢お客さん、着きましたよ｣

貴方｢ああ。これで足りるかな｣

車を出て院長室へ向かうと秘書の子がいたのでそのまま通してもらう

貴方｢院長さん、こんばんは。遅くまで仕事とはご苦労様です｣

院長｢あー、月城さんですか。あの運ばれて来た方は無事に処置を終えて今は病室にいますよ｣

貴方｢何時も済まないな｣

院長｢いえ。こちらも良くしてもらっているので｣

この病院は櫻木会の息がかかっており、援助をする変わりにヤクザを受け入れて貰っているのだ

貴方｢近いうちにまた来る。その時は小児科の子供達へクリスマスプレゼントを持って来るよ｣

まじにぃがいる病室を教えてもらい、ドアを開けると西田が付き添っていた

西田｢叔父貴、お疲れ様です｣

貴方｢まじにぃは…まだか｣

西田｢結構深くまで刺さってたんで…親父のことだから直ぐに目覚ますと思うんすけど…｣

貴方｢西田はもう帰んな。何かあれば連絡するから｣

西田｢す、すんません!お疲れ様でしたｯ｣

オーバーにお辞儀をして出ていく西田を見送りベッドのすぐ横にある西田が座っていたパイプ椅子に座る

いつものパイソン柄のジャケットではなく、病衣を着ていてゴールドのネックレスも外されている

ジャケットはクローゼットの中に入ってるんだろうか

寝てる間にクリーニングに出してしまおう

それで起きた時に怒られたりして

"ﾎﾟﾀ、ﾎﾟﾀ"

あ…れ?

なんで濡れたんだ…

そうか、悲しいんだ

何時も自分の横で笑って、一緒に桐生さんと喧嘩する作戦考えて

当たり前だった存在が今こうしてベッドで青白い顔と何時もより冷たい拳が、今はそんな当たり前が無いことを主張してきて

あの時守れなかった悔しさとその悲しさで泣いてるんだきっと

"何泣いとんねん"って言ってくれよ

まだ目覚める様子はない