わたしの左手 ars k.nino

気付かないフリ ページ5

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リーチの集団の中に

後輩の仲良くしてるリカちゃんを見つけた。

「吉村さんもですか？」

ニコニコ笑う顔は

若さが弾けていて

うん。素直に可愛いと思う。







「これ１番の景品、知ってる？」

小さな声で聞いたら

「え？知らないですよ？いいものですか？」

目をキラキラさせながら聞かれて

「うーん。嬉しい人は嬉しいのかもね？」

雅紀を振り返ったら

楽しそうに大きく手を振ってるし・・・








私のビンゴカード。

ビンゴするには

２５。

２５が来たら当たりな訳だけど

正直、別に欲しく無いし・・・









壇上では潤が進行を続けていて

「３６。・・・あれ？ビンゴは無し？リーチになった人は？」

なんて盛り上げてる。









「じゃあ。次ね？・・・２５！」

そう言いながら右手を上げて

リーチになってる私たちを見た。

「ダメー。」

「あと１つが来ないな。」

なんて声が聞こえる中

私の手汗は尋常じゃない。








ヤバイ。

ビンゴしちゃった・・・

気付かなかったフリしちゃおう。








知らん顔して次の番号まだ？

なんて顔しながら潤を見た。









「あれー？吉村？お前。ビンゴじゃね？」

櫻井さんが大きな声で余計なことを言った。









全力でチっ！！

って舌打ちをしつつ

「え？あー。ヤダ。本当だ・・・」

必死の小芝居をした。

顔に出てる→←ビンゴ

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