わたしの左手 ars k.nino

ぐねる ページ37

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コケた後

もう立ち上がることは出来なかった。









みるみる腫れ上がった右足首。

カズは少し見て

「ぐねった？」

そう言って触れようとしてから

「ダメだな。これ、すげーやっちゃったな。」

参ったな・・・って顔してる。







「ね。カズ。ぐねるって何？」

痛いのを誤魔化したくて聞いたら

「捻るってことだよ。歩けねぇよな？」

顔を覗き込んで来たカズに

「大丈夫だよ。」

そう言いながら立ち上がろうとしたけど








激痛・・・

「あ。大丈夫。気にしないで帰って？」

黙って私の顔を見てるから

「ほら。近いから。」

「立てないのに？」









確かに立つのも出来るか微妙。

なんだけど・・・

「近いって、どれくらいだよ。距離。」

「えー？そうだな。歩いて５分くらい。」

「その距離じゃタクシーも嫌がられるだろ？」







・・・どうしよう。

そんなやりとりの間にも

足は腫れまくる・・・







「・・・お前。何キロ？」

「は？何が？」

「体重だよ。何キロ？」

「言うか。バカ！」

「私、腰弱いんだよね。おぶれるか見極めたいんだけど・・・」

私の全身を視線を往復させてから

「あー。怖い。やられそう。」









「だから、いいって！」

コイツのゲスな発言を聞いてる場合じゃない。

意地になって立ち上がった。








うわぁ・・・・！！

って声が出そうな程に痛い・・・

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