わたしの左手 ars k.nino

急げや ページ26

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＜二宮＞

再びの名前に

面倒・・・

って気持ちを全く隠さずに

「はい。」

不機嫌な声で出たら








「んだよ。出れんじゃねーか。一回で出ろや。」

「・・・」

「何？田舎で電波悪い？」

「悪く無いです。聞こえてます。」







電話でもここまでイライラさせるなんて

恐ろしい男だわ。








「お前。N木って言ってたろ？」

「うん。」

「取りに来てやったぞ。」







げ・・・マジで？

わざわざ来る？

心の中で不満を爆発させてたら

「聞いてんのか？」

「あー。うん。」

「どこ？行く。」







家を知られてたまるか！！

「すぐ行く。駅前にコーヒーショップあるでしょ？そこで待ってて？」

「はぁ？・・・あ。あった。Sバ？」

「そうそう。そこ。」

「やだよ。あそこ前払いじゃん。」

「え・・・？」

「わざわざ取りに来たのに何で自腹でコーヒー飲むんだよ。」









うーわぁ・・・

どこまでもゲスい。









溜息を隠すことなくついて

「じゃあ。その近くの喫茶店で待ってて。」

「しょうがねーな。わかった。急げよ？」

「はいはい。」








「１５分で来なかったらGPS検索だからな？」

「はぁ？！」

「嫌なら急げや！」

最後は怒鳴ってた。

なんなのよ。

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