story20 転海屋 ページ21
【土方side】
「惚れた男には、幸せになって欲しいだけだ。」
とかわざわざ俺に向かっていった。A。何でだ?つーか誰だ?惚れた奴。気になってしょうがねェ。こいつが、恋愛するとか想像も出来ねェ。剣と辛いもの位だろ。こいつが好きなのは。
「撃てェェェェ!!」
転海屋の合図で、俺に銃弾が発射された。状況は、こちらが圧倒的に不利だ。さて、どうするか。この時、俺の頭の中にAの言葉はなかった。
「真選組だァァ!!」
来ちまいやがった。山崎が言ったのか。俺は、薄く笑みを浮かべた。その時、走り出そうとしていた車が、目に入る。俺は、無我夢中で追いかけた。爆発で、ジャケットがとぶのも気にせずに。
車に追いつき、転海屋の肩に上から刀を刺した。不敵な笑みを浮かべて。転海屋の命令により、俺に車から銃口を向けた奴が、バカンと音をたてて倒れた。
「てっ てめェ!!」
殴ったのは、万事屋だった。そして、ソイツは、懐から出した激辛せんべいを投げて来た。
「安心しな。せんべい買いに来ただけさ。てめーらで届けてやりな。──その方があいつも喜ぶだろ。」
そう言いながら、タイヤに木刀を刺していた。前を向くと、沖田姉弟が立っていた。状況を、理解して、俺も、タイヤに刀を刺した。少しずつ、減速していく車。沖田姉弟の前にいったところで、車は真っ二つに斬れた。その時の二人の顔は、悲しそうに見えた。
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作者名:きなこ | 作者ホームページ:https://twitter.com/Kinako_uranai
作成日時:2018年2月5日 13時