よんじゅーよん ページ45
ゴンッ
重い音がした。
けど痛みはなかった。
目の前で、心音ちゃんが蹲っていた。
彼女は私を殴らなかった。
ただ、私のすぐ横の壁を叩いた、だけだった。
「……なんで」
掠れた音が空気を震わせる。
返事をしないまま、彼女は立ち上がった。
彼女の足元が濡れている。
透明な雫と、赤い液体で。
「はは、どーして、かな」
彼女は小さく笑う。小さく呟く。
その声は、泣いているように、自嘲しているように思えた。
「文乃ちゃんの事、すごく恨んでるの。嫌なの。殺せって言われたら、殺せると思うの」
独り言のように、寂しそうに、呟く彼女。
「でも、殴れなかった、どーして?」
単純な子供のような疑問。
その答えも、彼女は知っていたようだ。
「恨んでても、友達だから。友達に、私の好きな人がお似合いだと、思ったから」
私の鼓膜を震わせるその声に、涙が溢れた。
「文乃ちゃん、私、応援したいよ。文乃ちゃんと、そらる君の事」
小さな子供のように、泣きながら言葉を紡ぐ。
「ねえ、ごめんね、文乃ちゃん。ごめんね。私、文乃ちゃんの事、嫌いになれなかったの」
「心音、ちゃん……」
「髪型を変えても、メイクをしても、可愛い服を着ても、口調を変えても、私、文乃ちゃんの事は殴れないなあ」
「そっか……」
笑いながら手錠を外す彼女。
泣きながら格子を開ける彼女。
「私、どうしたら、許されるのかなあ。
こんな悪いことして、捕まるかなあ。そっか。悪いのは、私、だもんね」
"文乃ちゃん、もう帰っていいよ"
きっとここから先は、彼女が決めることだ。
彼女はきっと、自分の罪を認め、償うのだろう。
そんな彼女を応援したい。
私を応援してくれた彼女のように。
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ありがとうございました。
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ayano@エトワール(プロフ) - てるてるぼーず@そらるさんLOVEさん» うわああああああありがとうございます!!楽しんでますか!!更新頑張ります!!!! (2017年9月8日 18時) (レス) id: 11d6765567 (このIDを非表示/違反報告)
てるてるぼーず@そらるさんLOVE - めちゃ面白いですー!私そらるさん大好きなのでこの作品嬉しいです!いつも楽しんでます! (2017年9月8日 0時) (レス) id: 13c0fdb1c6 (このIDを非表示/違反報告)
ayano@エトワール(プロフ) - まいかさん» あああありがとうございます・・・!!共感してくれる人いて嬉しいです!これからも頑張ります!! (2017年9月3日 10時) (レス) id: 11d6765567 (このIDを非表示/違反報告)
まいか(プロフ) - はじめまして…!いつも楽しませてもらってます!そらろんのことすごくわかります…コメントでわざわざ「そらまふじゃないの」とか言ってる人は本当に1回お前リスナーやめろ?ってなります… (2017年9月2日 22時) (レス) id: 2261bd0b30 (このIDを非表示/違反報告)
ayano@エトワール(プロフ) - 雪兎-ユキト-さん» わわわありがとうございます;;面白かったですか・・・・・・更新頑張ります!! (2017年8月27日 15時) (レス) id: 11d6765567 (このIDを非表示/違反報告)
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