【マフィア松】女刑事、捕まえました【おそ松さん】

◎File.8 ページ10

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＿＿＿ガタン



「……っ」



何かの衝撃に揺られて目が覚める。
ダメだ。頭がくらくらして視界がぼやけている。
…ここは？あの後一体どうなって………

辺りを見回すと、隣に座っていたひとりの男とバチリと目があった。





「………目、覚めたの」





低い声。こちらを見下ろす眠そうな目。


…あぁ、やっぱり。
私は生かしておいてもらえるはずなんてなかったんだ。

お父さんお母さん、今からそちらに………




「無視ですかそうですか」

「ごめんなさい目覚めました」




いきなり卑屈になりかける紫ネクタイ。
この男は確か、松野ファミリーの狙撃手、松野一松か。

松野一松は、そう、とだけ返事をして前を向いてしまった。

ここは車の後部座席。逃げられるはずもない。




「あああ〜！目ぇ覚めたんだね！！おはよう！！」




明らかにテンションや声のボリュームを間違えている人物、そいつがこの車を運転しているようだ。

バックミラー越しに目が合うと、屈託のない笑顔を向けられてしまった。

今から殺す相手に満面の笑みを向けるとは…
やはり松野ファミリーはただ者ではないらしい。



「ちょっと十四松兄さんうるさいよ？ ごめんねAちゃん、うるさくしちゃって。体調はどう？」

助手席からひょこりとこちらを覗くピンク。




「………お、お前は！トイレの個室に私を連れ込んで無理矢理……」

「ちょっと待ったぁ！その言い方やめてくんない！？」

「…なにトッティ。…無理矢理、なにしたの」

「薬飲ませただけだろーが！一松兄さんも計画知ってるでしょ！？」

「あはは！！トッティタッティ？？」





なんだこのカオス空間。本当にマフィア？

どうやらポンコツなのは兄二人だけではなさそうだ。





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