◎File.38 ページ41
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「カラ松兄さんってさ、絶対惚れてるよね」
カラ松がいなくなった部屋で、
突然そんなことを言いだしたトド松。
「そうなの?誰に?」
「いやいや、Aちゃん鈍感かよー」
「…え、私?」
「どう考えてもそうじゃん?」
心当たりは、無いわけでもない。
話しかけると顔を真っ赤にされるし、
やたらとプレゼントもくれる。
嬉しいけれど、なんだか恥ずかしい。
「そうなのかなぁ」なんてのんきに毛先をいじっていると
「……ご馳走様でした」
チョロ松くんがいきなり立ち上がった。
よく見るとまだお皿にはハンバーグが残っている。
「…あ、うん、…お、美味しくなかった?」
「そうじゃないんです!その、ちょっと体調が…」
「チョロ松体調わりぃのー?
おにいちゃんが部屋まで送ってやろうか!」
「……いや、お前はいい。
Aさん、お願いできますか…?」
「…え、私?」
急な指名に首をかしげると、チョロ松くんは
コクコクと頷いた。
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「Aのこと襲うんじゃねぇぞー」
チョロ松くんと部屋を出るとき聞こえたおそ松の声。
… 2人で行くの、止めてくれないんだ。
なんて、ちくりと胸が痛い。
(…なんなの、ほんとに。)
「おそ松兄さんじゃあるまいし」
「ふふ、ほんとそうだよね」
チョロ松くんのほうに向き直ると、
さっきまでひどくしんどそうな顔をしていた彼は、もう普段通りに戻っていた。
「…あれ、チョロ松くん。もう治ったの?」
私よりうんと背が高い彼を見上げる。
「……Aさん、騙して、ごめんなさい」
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水仙(プロフ) - チョロ松笑ったwww (2017年1月22日 14時) (レス) id: 2af43545d8 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん - ふおおおお!!!これは続編も見なくては!!! (2017年1月14日 19時) (レス) id: 85405eb198 (このIDを非表示/違反報告)
NICO - とっても面白かったです! 続編も頑張ってください♪ (2017年1月4日 22時) (レス) id: dd50939e7d (このIDを非表示/違反報告)
スズモモ(プロフ) - なーさんさん» ほんとですか!ありがとうございます〜!おういえあ(・∀・) (2017年1月4日 17時) (レス) id: 371c610c5f (このIDを非表示/違反報告)
なーさん - めっちゃ面白い!!!!いつも見させてもらってます!!おういえあ!(゚∀゚) (2017年1月3日 23時) (レス) id: 9e37fb201f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スズモモ | 作成日時:2016年11月12日 9時