◎File.2 ページ4
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「やっほー、刑事さん」
気の抜けるような喋り方に赤い影。近づいてくる。
あいつが、この男を撃ったの…?
ということは、次の標的はきっと私だ。
念のために持っておいた銃が役に立ちそうだ。
ろくに使ったことはないけれど。
「…っ来ないで!動いたら撃つ!」
「…えー、ちょっとぉー、俺助けてあげたんだよ?」
そう不服そうに言いながら、まだずかずかと歩いてくる男。
手には銃を持っているのが見えた。私は必死に叫ぶ。
「だから動かないで!!」
「どーせ俺のこと撃たないでしょ?」
「…て、手を挙げなさい!!」
「自分の置かれてる状況わかってる?」
この場にそぐわない陽気な声。
足元の男の血がじわりと広がり、
月明かりをきらきらと反射している。
ようやくはっきりしてきた赤い男の姿。
黒いシャツに赤いネクタイ。やっぱりマフィアだ。
「どうも、かわいこちゃん」
「……あんたは!!」
見覚えがあった。
私が何度も資料で見たこの男は、私がずっと捜査に関わってきた『松野ファミリー』のボス、
「松野おそ松!」
「あは、俺のこと知ってんのー?」
照れちゃうなあ、と鼻の下を擦るその姿は
むかつくことこの上ない。
するといきなり耳元で
「俺も、君のこと知ってるよ」
ぼそりとささやいたかと思うと、
腕をぐいっと引かれて抱きしめられた。
「…え」
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水仙(プロフ) - チョロ松笑ったwww (2017年1月22日 14時) (レス) id: 2af43545d8 (このIDを非表示/違反報告)
かふぇいん - ふおおおお!!!これは続編も見なくては!!! (2017年1月14日 19時) (レス) id: 85405eb198 (このIDを非表示/違反報告)
NICO - とっても面白かったです! 続編も頑張ってください♪ (2017年1月4日 22時) (レス) id: dd50939e7d (このIDを非表示/違反報告)
スズモモ(プロフ) - なーさんさん» ほんとですか!ありがとうございます〜!おういえあ(・∀・) (2017年1月4日 17時) (レス) id: 371c610c5f (このIDを非表示/違反報告)
なーさん - めっちゃ面白い!!!!いつも見させてもらってます!!おういえあ!(゚∀゚) (2017年1月3日 23時) (レス) id: 9e37fb201f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スズモモ | 作成日時:2016年11月12日 9時