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第二十四話 ページ26

「今の話のおかげで全部判った」

中也が太宰の方を見て云った。

「何だと?」

太宰は演劇めいて体を半回転させにやりと笑う。

「だから、トリックと真犯人が判ったんだよ。事件解決だ」




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中也と太宰の拳が激突する。

「犯人教えろよ!」

「やだね!」

返答の終わりを待たず、中也が素早く太宰に接近。
強烈な下段蹴りを放つ。太宰は地面を蹴って上へと回避。空中で回転し、落下の勢いを活かして手に持った武器を振り下ろす。

成人男性の身長ほどもあろうかという黒い金棒を、中也は両手を捧げてガード。太宰が着地した一瞬の硬直をついて、中也さ速度を重視した素早い拳を雨のように叩きつける。

「本当は判ってねえんだろ!」

「いいや、判ってるよ。どこかの小学生と違ってね」

連続した弾幕に、太宰は防戦一方となるしかない。
太宰は後退し、戦場の隅へと追い詰められる。

「おらおらおら!守ってばっかじゃ戦いには勝てねえぞ!」

最後に中也は大技である蹴り上げを選んだ。その場で縦に回転し、相手を空中に蹴り上げる強力な技だ。

だが技が発生するまでの数瞬の隙を太宰は見逃さなかった。

「はい残念!」

太宰が素早く釦を押すと太宰の操るキャラクタアが闘気を纏って発光。振りかぶった金棒から破壊の光線が伸び中也のキャラクタアに叩きつけられる。

「なああっ!待っ」

中也の叫びが、激しい電子音にかき消される。振り下ろされた金棒は止まらず、画面に無数の閃光を描き出す。暴風のような攻撃はいつまぇも止まらず、中也はそれを呆然と見守るしかない。

やがて中也のキャラクタアが地面に倒れ伏し、太宰のキャラクタアの頭上に『勝利』の文字が輝いた。

「はいおしまい。身の程を知ったかな?」

「くっそ!もう一回だ!」

太宰達がいふのは、繁華街の電子遊技場(ゲェムセンタァ)だった。

賑やかな電子音。客たちの喧噪。その中で太宰と中也は遊戯筐体に向き合い、格闘対戦の電子戦を行っていた。

「もう一戦してもいいけど、結果は同じだよ。これでも手先は器用な方でね」

太宰は手をひらひら振りながら云った。

「さて……約束したよね。『負けた方は命令を一つ、犬のように従順に遂行する』。何して貰おうかな?」

「くそ……割と自信あったのに……!!」

そんな二人を呆れた眼差しで見つめる妹二人は顔を見合わせ同時にため息をつく。

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作者名:十六夜紅葉×山吹 x他2人 | 作者ホームページ:http://yuuha0421  
作成日時:2023年6月15日 20時

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