引き立て役系JS、素敵帽子に拾われました【文豪ストレイドッグス】 (ページ4)

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そして、彼に手を引かれて、歩き始める。そういえば、彼の名前を知らない。

『あ、あの、名前は･･･？』

「俺は、中原中也だ、手前は？」

『私は･･･Aです。』

「そうか。」

はたまた沈黙になる。どうしよう。そう思ってた時

「そういや手前、なんであんなところに居たんだ？」

と、中也さんが、話題を振ってきた。

『えっと･･･』

転生する前のことを説明しようと思った。･･･転生だけは抜いて、家出してきたとでも云えば善い。そう思ったんだ。だけど、思い出そうとした、それだけで、

『･･･ｯ』

ほろほろと、温かい水が、私の頬を伝った。

「はっ？ちょっ、な、泣くなよ」

と、中也さんが、私の頬に手を添えて、拭ってくれる。そして、彼の言葉で、私が泣いていることを悟った。･･･私は如何して、泣いてるんだろう･･･？

『･･･ｯ、ごめっ･･･なさ･･････ｯ』

泣き止もうと思った。だけど、如何しても、泣き止めなかった。彼は少し仕方なさそうに微笑み、私を抱き寄せた。ん？･･･抱き寄せた？

『えっ、あ、ちょっ･･･？』

「あ、いや、悪ィ、温もりがあった方が落ち着くかと思ってよォ･･･」

違うか？と、少し困惑したように笑った。そんな彼に、私は思わず笑みがこぼれた。･･･可愛らしいなぁってふと思った。彼は、とても、如何しようもないくらいに、優しいんだなぁって、そう思ったんだ。