再会と逃走 ページ18
『・・・っ』
思わず視線を向けそうになった。だけど、
「・・・会いたくなかったんだろ?A」
と、中也さんにコソッと云われて、私はほんの少し頷く。そしたら、中也さんが、少し笑って、
「なら、あまり見ない方がいいだろ?気にしねぇ方が楽だろうし」
と、私に云ってくれた。
『は、はい』
そして、スルーして通り過ぎようとした時。れいが声をかけてきた。
「なんで無視するの?」
と。私は内心心臓が跳ねた。だが、中也さんが手を握ってくれた。
『・・・』
なんとかスルーすることができた。・・・だけど私は、恐怖などで感情がごちゃごちゃだった。
『・・・っ・・・ふっ・・・』
思わず泣いてしまった。恐怖で躰が蝕まれたんだ。だからだろうか。そんなことを考えながらも涙は止まることを知らなかった。そして、流し続けていると、中也さんが頭を撫でてくれた。まるで子供をあやすような感じだったけれどとても暖かく感じたんだ。
『中也・・・さん・・・っ』
そして、しばらくして、落ち着いてきた。
「落ち着いたか・・・?」
『は、はい。なんとか・・・』
その後、でも微妙に恐怖は残ってたからか、1人での留守番は嫌だった。だから、中也さんに少し相談した。
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作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年10月18日 19時