真実と偽り(少し修正) ページ12
「ねぇねぇA君」
『は、はい?』
「君、機嫌取れたらいいやって思ってない?」
そう云われた時、心臓が跳ねた。彼の桑の実色の瞳に、とても奥がない引き込まれる瞳に、見つめられた。
『真逆。そんなことないですよ』
愛想笑いで返す。慣れた。もう、慣れたんだ。
「んー、まぁいいけどね。そんなんでも私の要望叶えてくれてるし。」
『そ、そうですか』
「でも、そんなことばっかり思ってると、いつか
そう云った彼の瞳はとてつもなく深刻で、深く、私の芯まで見つめられてる気がして寒気がした。
『わ、私・・・』
「まぁいいんだ。気にしないで」
と、森さんはすぐにあの真剣身のない、どこか抜けてる情けない表情・・・瞳に変わった。私は少しホッとした。
『あ、あの。森さん』
「如何したの?」
『その、私は私・・・ですよ』
「そうだね。だけど、
『は、はい』
本当に何かと見透かされてるみたい。と、呟けば中也さんは苦笑して、
「ま、まぁ首領だからな」
と、云った。それに対して森さんは
「ねぇそれ如何いう意味!?」
と、叫んでいたがそれを私と中也さんは無視した。
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421
作成日時:2023年10月18日 19時