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真実と偽り(少し修正) ページ12

「ねぇねぇA君」

『は、はい?』

「君、機嫌取れたらいいやって思ってない?」

そう云われた時、心臓が跳ねた。彼の桑の実色の瞳に、とても奥がない引き込まれる瞳に、見つめられた。

『真逆。そんなことないですよ』

愛想笑いで返す。慣れた。もう、慣れたんだ。

「んー、まぁいいけどね。そんなんでも私の要望叶えてくれてるし。」

『そ、そうですか』

「でも、そんなことばっかり思ってると、いつか本当(真実)の自分が見えなく(判らなく)なるよ」

そう云った彼の瞳はとてつもなく深刻で、深く、私の芯まで見つめられてる気がして寒気がした。

『わ、私・・・』

「まぁいいんだ。気にしないで」

と、森さんはすぐにあの真剣身のない、どこか抜けてる情けない表情・・・瞳に変わった。私は少しホッとした。

『あ、あの。森さん』

「如何したの?」

『その、私は私・・・ですよ』

「そうだね。だけど、鏡の中(偽り)の君だけが、君じゃない。鏡に映している(真実の)君も、君だよ。それを忘却れないで。ね?」

『は、はい』

本当に何かと見透かされてるみたい。と、呟けば中也さんは苦笑して、

「ま、まぁ首領だからな」

と、云った。それに対して森さんは

「ねぇそれ如何いう意味!?」

と、叫んでいたがそれを私と中也さんは無視した。

マフィアの人達→←森鴎外



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作者名:朝宮藍良 | 作者ホームページ:http://yuuha0421  
作成日時:2023年10月18日 19時

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