第十八話 ページ20
云ってしまった。
光の方へと行けば陰の方には来れなくなる、
必然的に陰の俺達とは交わらなくなる。
だけど…それが、翼の願いなら、相棒として、親友として後押ししてやらないと。
もう選択を間違えない。
でも…その弱い自分が表情に出ていたのか翼は口を開いた。
「例え、オレが完全に光に染まれて光に行ったとしても、れんと親友と云う事実は変わらないからね……?」
その言葉を聴いて目の淵から涙が溢れ出した。
声を出さずに泣く方法も泣かない感情操作も得意な筈なのに不思議と両方共抑えられない。
『ッ……嬉しい…!
ありがとう、俺も翼と親友でいれて善かった。』
そう云いながら、涙を抑えて二人で向き合うと昔の様に笑い合えた。
心の錘が消えてしまった様な感覚になった。
幾つか談話をした後に唐突に聴いてしまった。
最近、色々とマフィアと探偵社の間でも様々な問題が起こっていたから。
『あのさ……鏡花ちゃんと敦くん元気にしてる?』
「どうしたのさ…」
『いや、うちの上司が敦くんの輸送途中にやらかして…』
そう云うと、あーと云う顔をした後に「オレの知ってる限りは今の所は何もないよ。」と云った。
『もし探偵社に何かあったら、敵対関係としてのマフィアとしての浅霧蓮として表立っては出来ないけど、親友で相棒の俺なら手伝うよ。』
そう笑って云った。
久しぶりに心の底から笑えた。
「……心強いね!」
そんなくだらない会話をして、今日は解散した。
最後にお互いに「『またね』」と言い合えた。
また平和な日が来て怪我もなく過ごせれば……
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