検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:2,946 hit

分からないから ページ25

九月半ばの、中途半端な時期に転入して来た女子。家の事情らしいけれど本当かは知らない。あの子は何も言わなかったから。

國宮透です。それだけ言って席に着いたあの子に当然の様に絡みに行ったクズ共。夜蛾先生は止めようとしたけれど、それよりも早く透が術式を発動した。
透の術式は"中毒"。対象の最も強い部分に対して働き、その対象の耐性を無くす。それによって五条は己の呪力に耐え切れず失神し、夏油は溜め込んだ呪霊の気配で嘔吐した。慌てて先生が止めた時には二人共倒れていて、それをあの子は無感情に見つめていた。

それから二人は透を避け、必然的に私が一緒に居ることが増えた。けれど幾らか月日が経って二人で買い物に行った時、透の世間知らずっぷりに驚く事になった。ホイップクリームを知らない・ドリンクバーを知らない・スポブラ以外の下着を知らない……続けて行けば切りがない程あの子は無知で無垢だった。
普段殆ど変わらない表情をころころ変えて、私に沢山の質問をした。サイズが合っていなかったので下着を選んでやると飛び上がるほど喜んだ。そんな透が可愛くてまた一緒に出掛ける約束をした。

透が居なくなる一ヶ月前の事だった。


❋ ❋ ❋
拝啓 家入硝子様

お元気ですか。私は術式が認められて、本家に奉公する事になりました。婚約者も決まったのでやっと私も家の役に立つ事が出来ます。
硝子ちゃんと過ごした三ヶ月は一生忘れられない、大切な思い出になりました。一緒に撮った写真はケースに入れて持ち歩いています。
私はあまり強くなくて硝子ちゃんに沢山迷惑を掛けたけれど、それでも友達だと思って居てくれると嬉しいです。
何も言わないで居なくなってしまったけれど、私に後悔はありません。ただ硝子ちゃんが無理をしていないかは心配です。
ちゃんと寝て、食べて、長生きして下さい。どうか、死なないで下さい。
私はもう会えないけれど、ずっと貴女を想っています。

敬具 國宮改め加茂透

追記
あの時言えなかったけれど、硝子ちゃんの方がずっと可愛くて綺麗です。下着、ありがとう。

❋ ❋ ❋

報告書 加茂■■ ●●月▲日
・加茂透二級術師呪殺犯確保、同時に自害
・元高専所属の呪術師
・原因不明
・禪院直哉との婚約を破棄
・家入硝子術師の精神安定に着手
→未だ安定せず

❋ ❋ ❋

「直接言えよ、馬鹿」

食べちゃうぞ※閲覧注意→←交換した妹



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1人がお気に入り
設定タグ:夢小説 , 呪術廻戦 , クロスオーバーを含む   
作品ジャンル:その他
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:くろ | 作成日時:2020年11月5日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。