Tu aimeras les gens et tu vivras fierement〈第五章〉 (ページ17)

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愛し子の胃痛と〈七つの大罪〉との話し合いページ17

「…胃が痛い」

　自分で発案しておいて何だが、場の緊張感で胃がキリキリと痛む

　翌日。〈豚の帽子〉亭の一階にて、〈七つの大罪〉とユーリの話し合いの場が設けられた

「エリザベスを殺そうとしたのはお前か？」

「…それに答えてどうなります？」

　淡々と答えるユーリの意見は至極当然である

「違ったら、ちゃんと謝る」

「子供ですか」

　メリオダスの言葉をスパッと斬ったユーリは涼しげな顔で紅茶に口をつける

「…記憶が戻っていると告げた後に同じことが起きたら、あなたたちは私を信じてくれましたか？」

　ふぅ、と小さく息を吐いて真っ直ぐ〈七つの大罪〉+エリーを見つめるユーリ。その瞳には、怒りも哀しみも憎しみも諦めもない。ただ、一点の曇りもない空のように澄んでいた

「私の記憶には、話しても信じてもらえないことがたくさんあります。実際、荒唐無稽な話ばかりですから。私も自分の記憶でなければ信じたかどうか分かりません」

　そんなに荒唐無稽な話ってどんなものなんだろう？逆に気になる

「まぁ、一つ話せることがあるとするなら…近日中に聖騎士がここを襲ってきます」

　そこで席を立ったユーリは、私たちに背を向けてお店から出て行こうとする

「待て。お前、その情報どこで＿＿＿＿＿＿＿＿＿」

「数日前、"女神の森,,の下見に行ったんです。そこで聖騎士側の者から情報を提供されました」

「敵(ユーリ)に情報を？」

「ええ」

　キングの訝しむような視線と声にユーリは頷く

「もしかしたら、エリザベス王女がお怪我をされたのも聖騎士側の策略だったのかもしれませんね。…そういうことですからくれぐれも身辺にはお気をつけあそばせ」

　スカートの裾を摘んで非の打ち所がない礼を披露したユーリは、今度こそ私たちに背を向けてお店から出て行った