愛し子の寂しさ ページ13
「ユーリ……」
〈豚の帽子〉亭の営業も終わり、お風呂から上がった私はベッドに腰掛けて隣を見る
ユーリがいない。ただそれだけでこんなに寂しいなんて思わなかった……。私…ユーリに甘えてたんだ……
半乾きの髪をくるくると指に巻きつけて弄ぶが、寂しさは紛れない
「はぁ……」
深いため息をつくと更に寂しさが倍増し、毛布に包まる。寂しさに耐えていると、コンコン、と部屋の扉がノックされた
「どーぞ」
ガチャ、と開いた扉から顔を覗かせたのはエリー。お風呂上がりなのか、寝間着のネグリジェから覗く白磁の肌はやや紅潮している
「ユーリは、まだ帰っていないの？」
「明日の朝までには戻る、とか言ってたわよ？」
「そう、なの……」
しゅん、と落ち込むエリーが部屋を訪ねてきた理由が分かり、彼女をベッドに誘う
「ユーリが心配？」
「ええ。私のせいでユーリが責められてしまったから……」
「それは、昼間のこと？夜のこと？」
唇に笑みを浮かべて問うと、エリーは息を呑んで俯いた
「それは……」
「…私もあの場にいたし、エリーを殺そうとしたユーリを見ていたからエリーの言葉が嘘じゃないのは知ってる。私が怒っているのは、あの場にいなかった…メリオダスのユーリに対する態度。バンは中立だし、元々ユーリを疑っていたキングの態度も分かる。でも、メリオダスは違う。私たちの中で一番ユーリと長くいる癖に問答無用でユーリを責め立てた。…それが、許せなかったの」
「メリオダス様は悪くないの！私が……」
「本当に？」
「え……っ」
「
笑みを消して、エリーをジッと見つめると私の視線に耐え切れなくなったエリーは俯いた
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作者名：アストライアー | 作成日時：2021年6月13日 18時
