脱出 ページ43
マリネは体力の落ちた私に合わせてゆっくりと進んで行くと、ある小屋にたどり着いた。
マリネ「今晩はここで休みましょう」
小屋は誰かが住んでいる形跡はなく、マリネが持っていた布を布団がわりに寝床を作り、来る途中にとった夕暮れの実でお腹を満たす。
マリネ「では、お話しさせていただきますね」
マリネが真正面に正座すると私の目を真っ直ぐに見た。
マリネの話によると、花の調達中先程の宝盗団に攫われて闇市で売られるはずだったらしい。
それをマリネが偶然見つけ、北国銀行からモラを借りて私を引き取ったのだと言う。
マリネ「恥ずかしながら私は宝盗団などに情報提供をしたり人には誇れないことでお金をやりくりしていたので…そのお陰でお嬢様のことを見つけられたのですが…」
……この話しを信じていいのかわからない。
だって一度は裏切られた。
あれ以来誰かに心を完全に許すことができなくなった。
黙っていると、それも予想の範囲だったのかマリネは焦ることも怒ることもなく、静かに私を見ていた。
マリネ「お嬢様、何か石のようなものを拾いませんでしたか？」
貴方「石…？」
マリネ「はい、宝石のような…いえ、神の目のような鉱石です」
その言葉にハッとした。
確かに拾った。
後で西風騎士団に届けようとハンカチに包んでポケットに入れていたのだ。
貴方「これ、かな…？」
それを取り出して見せるとマリネは安心したような顔をした。
マリネ「それです！いいですか？それをしっかりと肌身離さずもっていてください」
貴方「これはなんなの？」
そう尋ねるとマリネはこれが"邪眼"と呼ばれるスネージナヤのファトュスが独自開発した人工的な"神の目"だと言った。
マリネ「これは臨めば強大な力を得る代わりに大きな代償を取られるとても恐ろしいものです」
貴方「な、何でそんなものを私が…」
怖い。
こんな恐ろしいもの、早く手放したい。
そう思っていることが分かったのか、マリネは自身がつけているネックレスを服の中切り取り出す。
「見てください。これも邪眼です」
それは私のものと同じ鈍く不気味な輝きを放ったものだった。
「邪眼同士はお互いに反応します。今ここではぐれてしまえば、とても危険です。なのでこれがセンサー代わりになります」
邪眼を近づけるにつれその光が淡いものから強いものへ変わっていく。
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ドリアン(プロフ) - 凄く面白かったです、応援してます！ (2022年12月13日 0時) (
レス) @page44 id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - いつもイラストが可愛くてニヤニヤしながら見ちゃいます！そしてディルックさんがイケメン…！！ (2021年6月29日 22時) (レス) id: afa275cee1 (このIDを非表示/違反報告)
りー - ディルックさんイケメンすぎて、、！好きです！続き待ってます！ (2021年6月22日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - 水目桜さん» 水目桜さん、はじめまして！コメントありがとうございます！イラストも褒めていただいて感激です…！頑張って完結まで進めますのでよろしくお願いします！！ (2021年5月11日 9時) (レス) id: 44d3bf4540 (このIDを非表示/違反報告)
水目桜(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませてもらっています(*^^*)ディルックさんの絵もとても綺麗で大好きです！これからも更新頑張ってください！ (2021年5月10日 0時) (レス) id: b42ef5c4d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カリン | 作成日時：2021年4月27日 11時
