再び ページ42
…………どれくらい時間が経っただろう。
数日、は経ってるはず。
ここは何処かの秘境だろう。太陽も登らないし時計もないので正確な時間なんてわからないけれど与えられる最低限の食事と体力が尽きて気絶するように眠ることを繰り返していると気が狂いそうになる。
来る前に積んだ花もしおれており、時間の経過を知らせている。
私は何でここにいるんだろう…？
きっとみんな心配してる。
フローラちゃん、ドンナさん、お父さん、ガイア………
…………ディルック。
太陽の登らないこの部屋で、日の光のような貴方の姿を思い浮かべる。
助けなんてこない。
自分でなんとかしなきゃ……
そう思うのにまともに食事も取れていない今の体力では何もすることができない。
私の怪力もこれじゃ役に立たないな…
そう思って再び意識が朦朧としだす。
眠っちゃだめ…考えないと…ここから出る、方法……
「お嬢さま！」
その声を聞いただけで背筋がゾワリとした。
なんで貴方がここに……
マリネ「お嬢様ご無事ですか？」
貴方「マリネ…」
目の前に現れたのは紛れもなくマリネだった。
貴方「どうして……」
マリネ「説明は後で必ず。今はここから出ることだけに集中してください！」
私を心配するようなその瞳がまるで昔の大好きだった彼女のようで目に涙が溜まる。
私が迷子になった時一番心配して泣いてくれたのはマリネだった。
怪我をしたら私より痛そうにして治療してくれたのも。
夜中にお腹が空いたと行った時、お父さんには内緒と使用人達で流行っていると言う外国のお菓子を二人でこっそり食べたのも。
母を亡くした時自分が母親の代わりになると抱きしめたのも。
貴方「マリネ…」
「やっと来たか女！金は？」
男達のリーダーらしき人がマリネに詰め寄った。
マリネ「指定されたお金はしっかりと持って来ました。お約束通りお嬢様をこちらに」
マリネからモラの入った袋を受け取った男は中身を確認すると上機嫌に笑ってから私の背中をマリネに向かってドンと押した。
「約束通り、金はもらったぜ」
「その女にそれほど価値があるとも思えねぇけどな」
マリネ「…お嬢様、こちらへ。早くここから出ましょう」
そう言って差し出された手を掴んでいいのかわからず茫然と見つめる。
マリネ「…訳はここから出てゆっくり説明いたします。今だけは、信じてください」
ここから出ることができる。それがあまりに誘惑的で私はマリネについて行った。
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ドリアン(プロフ) - 凄く面白かったです、応援してます！ (2022年12月13日 0時) (
レス) @page44 id: f43b62c151 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - いつもイラストが可愛くてニヤニヤしながら見ちゃいます！そしてディルックさんがイケメン…！！ (2021年6月29日 22時) (レス) id: afa275cee1 (このIDを非表示/違反報告)
りー - ディルックさんイケメンすぎて、、！好きです！続き待ってます！ (2021年6月22日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - 水目桜さん» 水目桜さん、はじめまして！コメントありがとうございます！イラストも褒めていただいて感激です…！頑張って完結まで進めますのでよろしくお願いします！！ (2021年5月11日 9時) (レス) id: 44d3bf4540 (このIDを非表示/違反報告)
水目桜(プロフ) - はじめまして！いつも楽しく読ませてもらっています(*^^*)ディルックさんの絵もとても綺麗で大好きです！これからも更新頑張ってください！ (2021年5月10日 0時) (レス) id: b42ef5c4d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カリン | 作成日時：2021年4月27日 11時
