GENERATIONS LOVER

コンプレックス -Alan.S- ページ3

『ねえ、亜嵐てさ…』

「んー？」

『胸大きいよね』

「ゲホッ！？」


雑誌を読みながらコーヒーを飲んでいた亜嵐がむせた。


『ちょ、汚い』

「いや、普通こうなるでしょ！何急に！」


そんなオーバーな。


『前から思ってたんだよね。亜嵐私より胸あるじゃん？何したらそうなるわけ』


Tシャツの上からでもわかる身体のラインがちょっと癪に触って、亜嵐の胸を叩く。

うわ、めっちゃ硬い。


「胸って言い方やめればいいじゃん。胸筋だよ胸筋」

『…それでも腹立つ』

「そんな理不尽な」


私だって毎日バストアップ体操とかしてるのに。

亜嵐より胸ないとか女としてのプライドが許せない。


『あーあ、もう私も胸筋鍛えようかな』

「は！？やだよ俺マッチョなAとか！」


いつになく必死な亜嵐。

そんなに私の胸が大きくなるのが嫌か。


「別に胸なくても俺はA好きだよ？」

『胸なくてもは余計だわ』


フォローがフォローになってない。


「っていうかなんでまた急に」


うん、焦りながらも何とか話を聞こうとする姿勢だけは褒めたい。

けど原因あなたですからね。


『…一回胸に手あてて考えてみ』

「んー…」


素直に私の言うとおり胸に手をあてる亜嵐。

犬か。


「…………わかんない」

『嘘つくんじゃねーよ巨乳好き』

「さっきからなんかひどくないA！？俺何かし…あっ」


やっと気づいたのか、亜嵐は大きく口を開けた。


「…GENETALK？」

『うん』


こないだの放送でまた胸の話をしてたのを、私はバッチリ聞いていた。

亜嵐が巨乳好きなのは知ってたけど、また改めて言われるとやっぱり気にするわけで。


「まさか、それで気にしてたの？」

『当たり前でしょ。巨乳好きって公言してる人の彼女が貧乳とか…』


言ってて虚しい。

私が散々悩んでるのに、何故か亜嵐はニヤニヤし始めた。


「それ、俺の好みになろうとしてくれてるってこと？」


ストレートに言うな。

本人に指摘されるほど恥ずかしいものはなくて、自分でも顔が真っ赤になっていくのがわかった。


「Aの容姿だけ見てるわけじゃないってことなんだけどなー…ま、Aが気にしてるなら俺が大きくしてあげてもいいよ？」

『…は？』


ニヤニヤしたまま私の手を引いて寝室に行く亜嵐。

わけがわからないまま、ベッドに押し倒される。


「…揉めば大きくなるっていうじゃん？」


馬乗りでそう言う亜嵐を見て、二度とこいつの前で胸の話はしないと心に誓った。

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