自問自答 -Hayato.K- ページ2
ひとつ上の学年の白濱先輩は、すごくモテる。
入学当初からずっと憧れてたけど、私は話もしたことがない。
まあ、見てるだけでも幸せだからいいんだけども。
卒業式も間近に迫って、これまで以上に女子に呼び出されることが増えた白濱先輩。
悪いことだとは思うけど…ついいつも告白スポットがよく見える空き教室から様子を覗いてしまう。
「モノ好きだね、ほんと」
『きゃっ！？』
後ろから突然声をかけられて、小さく悲鳴が出た。
「あはは、驚きすぎ」
笑いながら横に腰掛けたのは、ひとつ後輩の小森くん。
「また亜嵐くん？」
『…別にいいでしょ』
窓の外。
少し見下ろすと、女の子が顔を真っ赤にして告白してるのが見えた。
それに先輩が何かを言って…ここまで声は届かないけど、女の子が泣きながら帰って行ったから多分フられたんだろうな。
「…A先輩は亜嵐くんに告白とかしないの？」
『え、私？しないよ…憧れてるだけだし、見てるだけで』
「ふーん」
自分から聞いておいて、全然興味なさそうな返事をする小森くん。
「じゃあ亜嵐くんが卒業したら、もうここにも来ないんだ？」
『…そうだね。見に来るものも無くなるし…小森くんの邪魔でしょ？』
ここは小森くんのサボり場。
小森くんと話すことになったきっかけも、今みたいに私が先輩の告白を覗きにきたことだった。
「別に邪魔じゃないけど…」
視線を戻すと、先輩も校舎に戻ろうとしていた。
「ねえ、A先輩」
声の方を向くと真剣な小森くんの顔がものすごく近くにあって、唇に柔らかい感触。
それは一瞬で、すぐに小森くんは離れていった。
キス、された…？
「今度は亜嵐くんじゃなくて…俺のこと見に来てよ」
『えっ…？』
もしかして…告白？
『あの、』
「あ！俺次体育だから行くね。またね、A先輩」
今までの真剣な顔から一変していつものように無邪気な笑顔で走り去る小森くん。
…耳、少し赤かった。
空き教室にぽつりと取り残される私。
『言い逃げは卑怯でしょ…』
真っ赤になった顔を覆いながら、その場にしゃがみこむ。
しかも小森くん、”またね”って言ったし…返事一択しかないじゃん…。
唇に残る小森くんの感触を、そっと指でなぞる。
まだドキドキとうるさい心臓。
…私、ここに先輩と小森くん、どっち見に通ってたんだろうな…。
考えても出てこない答えに、私はため息をつくしかなかった。
コンプレックス -Alan.S-→←嫉妬屋さんと意地悪な彼 -Reo.S-
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ゆと(プロフ) - りあさん» コメントありがとうございます。大変失礼致しました。修正しました。 (2015年2月11日 17時) (
レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
りあ(プロフ) - いきなりごめんなさい亜嵐のローマ字表記はALANですよ (2015年2月7日 11時) (レス) id: 601b6c9cb8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - さんさんめさん» コメントありがとうございます！きゅんきゅんしていただけて安心しました…！更新頑張っていきますのでお付き合いよろしくお願いします。 (2015年1月29日 19時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
さんさんめ - めっさ きゅんきゅんします !! ＊\(*'ν'*)/＊ 更新岩張って下さい ！ (2015年1月14日 22時) (レス) id: 240a59d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆと(プロフ) - ゆうひさん» コメントありがとうございます！面白いと言っていただけて嬉しいです。更新頑張ります！ (2015年1月9日 21時) (レス) id: 05ad7016c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆと | 作成日時：2014年11月19日 0時
