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序章 ー驚きの訪れー 5 ページ5

「は?何でだ?」


 「だって・・・」


 Aは少し唇を尖らせて言う。


 「歳兄ィは俺より年上で、しかも男だろ。今 新選組の台所事情は厳しいんだろ。だから、歳兄ィはちゃんと食わなきゃだろ。それに、働かざる者食うべからずって言うじゃんか。俺はまだ新選組で働いてないから 飯はいらねぇっ」


 他の幹部は、感心したようにAを見る。原田なぞは、ひゅう、と口笛を吹いた。


 だが、土方だけは呆れたようにため息をつく。


 「どうしてお前はこう意地っ張りなんだよ。・・・いいから食え。わかったな?」


 「でも・・・」


 いつしか兄妹は、周囲が見えなくなっていたようで。


 「わ・か・っ・た・な・?」


 「・・・はい。でも俺、少しでいいからっ」


 怖い目で言われたので 言うこと聞かざるを得なくなったが、Aは多少抵抗しようとする。


 「いただきます」


 そう言って 土方の茶碗と箸を手に取り、米を二、三口と、みそ汁を一口ずずっと飲んでから・・・


 「ごちそうさまでした」


 土方の膳に戻す。


 「・・・おい A。それは食ったって言わねーんだよ」


 「食ったは食ったんだ。別にいいだろ」


 土方兄妹の言い争いが始まろうとした その時・・・


 「くっ・・・くくくっ・・・あはははっ! もう・・・二人とも面白すぎ! 見てよ、平助だって左之さんだって、千鶴ちゃんだって爆笑してるよ」


 沖田の言う通りだった。斎藤以外は皆 腹を抱えている。


 「土方さんにこんな一面があったなんてなぁ・・・知らなかったぜ・・・」


 目に涙を浮かべながら 藤堂が言う。


 事の発端であるAは恥ずかしいのか、少し赤くなりながら 荒々しく立ち上がった。


 「も、もう皆さん食べ終わったようなので片付けますっ! 雪村さん、台所の場所 教えてくださいっ!」


 「私もやりますよ」


 苦笑しながら 千鶴も立ち上がる。そして、2人で一気に人数分の膳を持っていってしまった。


 2人の足音が聞こえなくなったところで、幹部達は真剣な表情になった。

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作品ジャンル:恋愛
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霜月こよみ - 嬉しすぎて慌てたせいで、下の返信がどなた宛てか分からなくなってしまいました。すいません。燐タロ様への返信です。 (2016年3月1日 23時) (レス) id: 953b6274fe (このIDを非表示/違反報告)
霜月こよみ - 閲覧、そしてコメント、ありがとうございます! これからこの2人はどんどん絡んでいく予定ですので、楽しみにしていて下さいませ! 更新頑張ります! (2016年3月1日 21時) (レス) id: 953b6274fe (このIDを非表示/違反報告)
燐タロ - 主人公と沖田さんの関係が気になります。更新楽しみに待ってますね(*´∇`*)。 (2016年3月1日 15時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 最近 まったく更新出来なくてすいません。現実がもう少し落ち着いたら、書き出そうと思っています。こんな作品ですが、これからもよろしくお願いします。 (2015年1月28日 23時) (レス) id: 953b6274fe (このIDを非表示/違反報告)
冷凍バナナ(プロフ) - 頑張って!霜月ちゃん(*´∨`*)ノ"面白いよ! (2014年11月8日 11時) (レス) id: 55ea56e042 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:霜月こよみ | 作成日時:2014年3月22日 15時

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