第二章 ー外れの心ー 1 ページ14
Aが屯所に来て1週間。
大分 新選組に馴染んできていた。
「おいA、今日の晩飯はいつもより3つ多く用意してくれ」
その日の夕方、土方はAにそう言った。
「お客様でも来るのか？」
「そうじゃねぇ。出張に行ってた局長たちが帰って来るんだ。お前は初対面だろ？」
Aは、了解! といい返事をして、台所へ駆けていった。
＿＿＿夜、晩飯時。
「ただいま、みんな! 」
星々が光り始めてしばらくたったころ、Aが会ったことのない3人が広間に入ってきた。
貫禄はあるが、優しそうな男。
眼鏡を掛けている、知的そうな、しかし 近寄り難い雰囲気の男。
穏やかの一言で全てを説明できそうな男。
(どうしよう……)
Aは、いつ自己紹介をしようか 考えあぐねていた。
(黙ってるのは失礼だし……)
「お、君は確か トシの妹だったかな？」
「ぁ、は、はい」
しかし、優しそうな男が話し掛けてくれた。
「はじめましてだな。俺は 近藤勇、新選組の局長を勤めている。これからよろしく頼むぞ! 」
「よ、よろしくお願いします。俺、土方Aです」
不意を突かれたAは、たどたどしいあいさつしかできなかった。
「私は 山南啓介です」
眼鏡の男が にこりと笑った。
Aの目に、彼の 力なく垂れ下がっている左腕が映った。
「ここは男所帯ですので、2人になったと言えど 大変なことにはかわりありません。頑張って下さいね」
「山南君、脅しちゃダメじゃないか。私は井上源三郎だよ。よろしく」
穏やかな男の名前も判明。
「俺、皆さんの役にたてるように一生懸命頑張ります! 」
他の幹部とは違い、かなり年上の男達。
少し緊張した声色だった。
「なぁ、堅苦しい話はそこらへんにして もう晩飯食おうぜ」
空腹に耐えかねた永倉が、言葉を発した。
「そうだな。いただくとしよう! 」
そこからはいつもの大騒ぎ。
……いや、いつも通りではない。
いつもより、笑い声が多く、話題も尽きる様子を見せない。
そして、笑顔の中心は ほとんど近藤にあった。
Aは、なんとなく一歩ひいていた。
近藤のことはあまり知らないし、今出会ったばかりの人である自分がそこに混ざるのは、なんとなく気が引けた。
第二章 ー外れの心ー 2→←第一章 ー呼び方と絆の関係ー 7
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霜月こよみ - 嬉しすぎて慌てたせいで、下の返信がどなた宛てか分からなくなってしまいました。すいません。燐ﾀﾛ様への返信です。 (2016年3月1日 23時) (
レス) id: 953b6274fe (このIDを非表示/違反報告)
霜月こよみ - 閲覧、そしてコメント、ありがとうございます！ これからこの２人はどんどん絡んでいく予定ですので、楽しみにしていて下さいませ！ 更新頑張ります！ (2016年3月1日 21時) (レス) id: 953b6274fe (このIDを非表示/違反報告)
燐ﾀﾛ - 主人公と沖田さんの関係が気になります。更新楽しみに待ってますね(*´∇｀*)。 (2016年3月1日 15時) (レス) id: 725f51c669 (このIDを非表示/違反報告)
霜月 - 最近 まったく更新出来なくてすいません。現実がもう少し落ち着いたら、書き出そうと思っています。こんな作品ですが、これからもよろしくお願いします。 (2015年1月28日 23時) (レス) id: 953b6274fe (このIDを非表示/違反報告)
冷凍バナナ(プロフ) - 頑張って！霜月ちゃん(*´∨`*)ﾉ"面白いよ！ (2014年11月8日 11時) (レス) id: 55ea56e042 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜月こよみ | 作成日時：2014年3月22日 15時
