貴方side. ページ8
蝦夷へ着いた私達は、まず松前藩をおとしにかかっていた。
土方さんの指揮でなんとか松前藩をおとすことに成功した。
しかし、後から来た旧幕府軍の船は沈没してしまった。
唯一新政府軍に勝っていた海軍力を失ってしまったのだ。
私達が思っていたよりも、蝦夷の気候は厳しいものだった。
榎本「すまない。あの船を失ってしまったのは私の失態だ。」
土方「無くなっちまった物はしょうがねぇさ。それよりも、これからどうするかが大事だろ。」
土方さんの仕事は、この蝦夷に来てからというものどんどん増えていた。
私ができるのは、お茶を出したり、簡単な書類仕事を手伝うことだけで。
無力な自分がとても辛かった。
そんなある日。
A「土方さん、お茶をお持ちしました。」
いつもなら返事があるはずなのに、なかなか返事がない。
まさか、いないとか?
いや、そんなはずない。
大鳥さんたちとの話し合いが終わって部屋に戻って来ているはずだ。
なんだか嫌な予感がして、私は失礼します、と言って扉を開けた。
土方さんはいた。
けれど、床に倒れていた。
A「?!土方さん!!」
私は持っていたお盆を落としてしまった。
けれどそんなことを気にしている余裕はなかった。
急いで土方さんのもとへ駆け寄った。
A「土方さん!」
熱はなさそうだ。
けれど、顔色が悪いし、私の声にも反応してくれない。
私の声が聞こえていたのか、そこへ大鳥さんと島田さんがやって来てくれていた。
大鳥「どうかしたのかい?って土方くん!」
島田「何かあったんですか?」
A「分かりません、私が部屋に来たら倒れていて。」
大鳥「とりあえず、医療班を連れて来るよ。島田くんは土方くんをベッドに運んであげてくれ。」
島田「分かりました。」
そのあと、土方さんが倒れたのは疲労からだろう、も言われた。
大鳥「最近昼も夜も寝ずに仕事をしていたしね。」
島田「数日休めば問題無いそうです。」
A「良かった。」
そして、二人はまた持ち場へ戻っていった。
私は土方さんの手を握り、側についていることにした。
A「早く、良くなりますように。」
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作者名:彗. | 作成日時:2016年10月23日 0時