【薄桜鬼】蒼き鬼は、紅に惹かれる。 (ページ26)

今日:5 hit、昨日:8 hit、合計:48,665 hit

京の街にて貴方side. ページ26

次の日、私は昨日と同じ茶屋にいた。

原田さんは今日は巡察の日ではないので、会えないと思うが、宿にいてもなんだか落ち着かなかったので、こうして、外にいるわけだ。

昨日、家に帰ると匡兄と千夏に何かあったのって散々聞かれた。

私は随分顔に出やすいみたいだ。

そんなわけで、お団子を食べながらぼーっとしてると、突然声をかけられた。

原田「おっ、Aじゃねぇか。昨日ぶりだな。」

そこには、原田さんがいた。

A「原田さん⁈どうしてここに？」

私は驚きすぎて、男装をしているのに、いつもと同じ口調で喋ってしまった。

原田「ん？今日は非番でな。屯所にいても暇だから、少しウロウロしてたんだよ。そしたら、見知った顔がいたから来たんだ。隣いいか？」

どうぞ、と言うと原田さんは私の隣に腰掛けた。

どうしよう。話すこととか、特にないし。

私が悩んでいると、原田さんは唐突に私にとって質問をしてきた。

原田「そういや、なんでお前男装してるんだ？」

A「えっ。・・・えぇぇぇ⁉わかってたんですか？い、いつから⁈」

原田「昨日、会った時からだよ。」

初めっから気付いてたんだ。

原田「んで、なんで男装してんだ？」

A「なんでと言われても。・・・うーん、髪が短いからですかね。女物の着物とか似合わないんですよ。髪伸ばそうかとも一時期考えたんですけど、めんどくさくて。」

原田「長くても似合うと思うし、今度会うときは女物の着物を着てるのも見てみたいな。」

そこからは、他愛も無い話をしたりしていた。

そんなじかんもそろそろ終わりに近づいていた。

A「それじゃあ、今日はそろそろ帰ります。」

原田「おう、俺もそろそろ屯所に帰るな。」

そう言って、原田さんはじゃーなと言って、私に背中を向けて歩いて行ってしまった。

まさか、会えるなんて。

楽しかった。私はなんだかフワフワした幸せな気持ちのまま、宿に戻った。