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次々と運ばれてくる料亭の料理の数々に、ちょこちょこと手をつけてはまたくだらぬ社交辞令に絡まるあらゆる思惑をかわしては仕掛ける。
これではどんな料理も味などしないと思うようなやりとりが繰り返される。
そしてそこには、笑って過ごせないような害意もあるのだ。
早い話、ここには敵しかいない。さらに言うなら、人数も少ない。
それぞれ副官なのか小間使いなのか知らないが、年若い少年ともいえるような者を連れて給仕させたり用事を言いつけたりしているが、それがどうにも時代錯誤で、この料亭という空間だけがどこか異質なものに思えた。
「おい、阿部どのにも、ご一献を」
横柄な態度で、財界の重鎮が仕えている少年に指図する。
「はい」
仕込まれているのだかなんだか、少年は静かな動作で阿部の隣までやってきて、丁寧に酌をした。
「ありがとうございます」
阿部はにこやかに応じ、猪口を受け取り口を付ける。
そんなことをしつつも、阿部は目黒に、誰に酌をしに行けとも命じない。
目黒はただ、阿部が優雅な所作で食事をするのを見つつ自分もなんとなくちょこちょこと口に入れ、何事か聞かれたときにするりとデータ的数値を教えたり、話をふられたときに応えたりしているくらいだ。
明らかに、阿部の目黒に対する扱いと、他の二名の部下への扱いは違う。
そして、目黒は常に油断なくあたりに気を配っていた。
ここに今日、目黒を連れてきたという事はそれなりの意味があるはずだと、目黒は心得ているからだ。
そして、目黒には実際、気になっていることがある。
財界の重鎮サマの連れている少年。
あの少年がどうも気になる。
目黒は何気ない風を装いながら、少年を観察し続けた。
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優(プロフ) - ??o??i .さん» ありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！朱�遒気鵑両�説もめちゃくちゃ好きなので、コメント頂けて嬉しいです！ (2021年1月4日 20時) (
レス) id: a7e52b77bc (このIDを非表示/違反報告)
??o??i .(プロフ) - 突然コメントすみません…！朱�遒任后�コメントから来ました！この作品の雰囲気、私の好みで一気に読み進めちゃいました…！笑これからも応援してます！ (2021年1月4日 18時) (レス) id: 48c6179bad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆ | 作成日時：2020年12月1日 13時
