『後ろからギュッ』 ページ32
【鍛冶屋】
『ウィーーール!』
甲板で遠くの方を見る彼に後ろから抱きつく。
「ッッ!..Aか…びっくりしたぁ…」
本当に驚いたみたいで 抱きついた背中からドクンと少し早い低音が聞こえてきた。
『そんなに鼓動早くするくらい驚かした?』
そこまでするつもりなかったわ、と言うと
彼は照れたように
「いや、君が…抱きついてるから…だよ。」
そう言ったのだった。
――――――――――
【雀】
『…ん……???』
目が覚めてまず固まった。
目の前にある、、いるはずのない人がいる。
そして私はその背中に抱きついている。
確かにここは私の部屋で…え?
『ッッ…』
ようやくしっかりとしてきた脳みそが 抱きついた腕を話すように命じてきた。
「よぉ、A。起きたのか?」
腕を引っ込め始めた瞬間にジャックがくるりと寝返りをうった。
距離が縮まるのは必然で。
「背中越しに感じるAの温度もいいが、
やっぱりこっちの方がいいな。」
そう言って彼はギュッと私を抱きしめ、謎に寝始めたのだった。
『(…?!?!?)』オーバーヒート中
――――――――――
【蛸】
『船長、失礼します』
いつも通り、パイプオルガンを演奏し終えただろう静かになった船長室へノックをする
「…」
『S───』
「カリ…プソ……」
許しが出ないのが不思議でそっとドアを開けるといつもの船長とは全く違う弱々しい声が聞こえた。
『ッッ────船長??』
ドアを開け、いつもの変わらない後ろ姿に呼びかける
「ッッ何の用だッッ」
ハッとしたように大声を出す、触手は動揺したようにクネクネと動く。
『…失礼します』
誤魔化すように、頑なにこっちを見ない船長の背中は孤独と寂しさに満ちていて
私はそっと抱きついた
「なッッ────」
『船長は1人じゃないですよ。私がいます。』
そう言って1度ギュッと力を込めて、離れた
振り返る船長は訳が分からない、というように私を見ていて…
『この報告書も読んでもらえるまで一緒にいてくれるみたいですよ〜…なんてね、
じゃあ失礼します』
きっと伝わらなかったんだろうな、と思いながら軽い冗談と共に私は船長室をあとにした。
あれからかなり時間が経ったのにも関わらず、船長室の引き出しの中には あの報告書が古くなってもなお取ってあるのは余談。
118人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
(お茶・・)ψ(プロフ) - 雪菜さん» 修正しました! (11月11日 21時) (レス) @page27 id: 50df67fa86 (このIDを非表示/違反報告)
雪菜(プロフ) - すみません、リク『全てあなたのもの』ガプセン見れないみたいなのですが、私の方がおかしかったりするのでしょうか? (10月15日 23時) (レス) id: 5e33687809 (このIDを非表示/違反報告)
(お茶・・)ψ(プロフ) - ルークさん» 了解ですれ (2019年3月22日 20時) (レス) id: a532ab1672 (このIDを非表示/違反報告)
(お茶・・)ψ(プロフ) - まるごと林檎。さん» うわ、すみません!いまみました!!了解でし! (2019年3月22日 20時) (レス) id: a532ab1672 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク - 無痛症の夢主に対してみんながどんなふうに対処?というかケガしないようにするかを見たいです! (2019年3月22日 17時) (レス) id: 73881cdf76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:(お茶・・)ψ | 作成日時:2017年7月19日 17時