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実「…嫌ならいいんだけどよォ。また晩飯、作りに来てくんねェか?」
不死川さんの口から出た思いもよらない言葉に、私は心底驚いてしまう。
実「あ、いや…嫌ならいいんだけど…」
嫌なわけが無い。
むしろ嬉しいくらいだ。
『嫌な訳がありませんわ!…でも、その…
それって、お口に合った、ということでよろしいのでしょうか?』
やはり不安でそう聞いてしまう。
いつもはもっと沢山のお客様に料理を振舞っていると言うのに。
やはり、“想い人”に作る料理はこんなに緊張してしまうのか。
不死川さんはしばらく驚いたような顔をして、それから、
実「あたりめェだろ」
そう言って、ふっと笑った。
不死川さんのこんなに自然な笑顔、初めて見たかもしれない。
それだけで嬉しくなってしまう私は、目の前の彼に相当惚れ込んで居るのだ。
しばらくの沈黙のあと、不死川さんは何かに気づいたように、あ、と声を洩らす。
実「お前、門限とか大丈夫なのかァ?」
たしかに、もう夜遅い。
『基本的に、姉に伝えていれば何時でも良いです。伝えていない時は、不安になるので姉が起きるまでには帰ってこいと言われています。』
実「結構緩いんだな。その辺。」
前に「あまり貴方を縛りたくないのよ。」と言っていた。
『そうですね…今日は伝えていないので、姉が起きるまでには帰らないとですね!』
実「そうは言ってもなァ、これからも家に来るんならやっぱり門限は必要なんじゃねェのか?俺は別に何時でもいいけどよォ。」
確かにそうだ。
『あ!なら、12時までが良いです。』
「12時…」と呟く不死川さん。もう私も19だし、門限としては妥当だろう。
『昔読んだ異国の本のお姫様も、門限が12時までだったんです。私、昔そのお姫様にすごく憧れていて…母に、私も王子様に会えるかな?なんて聞いていました。』
もう何年前の話だろう。確か名前は、シンデレラ。
実「王子様…まぁ、良いんじゃねェか?それで。」
結局、10時までお話して、帰ることになった。
やっぱりこの人と一緒にいると、時間が経つのが早い。
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ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時