糖分13% ページ13
.
門限は12時。
とはいいつつ、最低でも12時と言うだけで別にそんなに遅くまで居るつもりは無かったらしい。
『そろそろ帰りますね。』
そう言うA。
実「ちょっと待ってろォ」
俺は自室に戻り、羽織を被って玄関まで行く。
そんな俺の姿をみて、Aは驚いたように目を見開いた。
『ええと、不死川さん?』
実「送ってく。」
もう夜の10時。流石に1人で帰すわけには行かない。
『そんな!お家にまで上がらせて貰ったのに悪いです!』
どうやらこいつは人に甘えると言うのが苦手らしい。
いつも遠慮する。
実「そんなら、こっちだって夕飯作ってもらっただろォ。それに夜は危ねェ。」
有無を言わせない言い方に、Aは渋々肯定した。
夜道を2人で歩く。
『本当に、何から何まで申し訳ないです。』
実「まだ言うかァそれ。」
少しAを睨むと今度は睨み返してきやがった。
『だって、そうです!』
実「Aの癖に口ごたえしやがってェ」
俺よりだいぶ低い位置にあるAの頭をグリグリする。
『しますよ!こうなったら、不死川さんが驚くぐらい美味しい夜ご飯作ってみせます!』
今日のもだいぶ驚いたけどな。
謎に意気込むAに少し微笑ましくなって。
そんな下らない会話をしていると、あっという間にAの家に着いた。
『不死川さん!今日はとっても楽しかったです!本当にありがとうございました。…では、また。』
そう言って家に入っていくAをみて、
少し名残惜しい気持ちになっている自分に驚いた。
Aが完全に部屋に入ったのを見届けて、俺は方向を変える。
背中に隠して置いた日輪刀を取り出した。
夜は鬼が出る。
1人で返せるわけが無いだろう。
それに自分が居ても、だ。
もしも帰っている途中に鬼に遭遇していたら。
俺はAの目の前で鬼の首を斬っていたのか。
はぁ、とため息を着いておれは自分の屋敷に帰る。
傍から見れば瞬間移動にでも見えるのか。
鬼殺隊、風柱。
俺は何人も鬼の首を斬った。…母親も殺した。
そして、何人も人が死ぬのも見た。救えなかった命だってある。
鬼という存在を、知って欲しくない。
鬼殺隊も、知って欲しくない。
鬼と人間の血に汚れた自分を、知って欲しくない。
何故か強く、そう思った。
869人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ロロ天Runa - ヤバッ、、、!最高ですね、はい、更新がんばってくださいね!!応援してます!! (2021年3月8日 20時) (レス) id: e8de5457df (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - なしなつさん» 私も実弥さん最推しです!! (2019年10月31日 20時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
なしなつ - ハァァァァ尊い…!!不死川好きだわぁ… (2019年10月31日 20時) (レス) id: 737edd5ad9 (このIDを非表示/違反報告)
yurirol0305(プロフ) - 月さん» ありがとうございます!好きだと言っていただけて、嬉しいです! (2019年10月24日 0時) (レス) id: 9e39a449bb (このIDを非表示/違反報告)
月 - この作品が好きです。頑張ってください! (2019年10月23日 22時) (レス) id: 72108a1f6d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:yurirol0305 | 作成日時:2019年9月29日 23時