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日に日に私は回復していった。
珠代さんの薬は本当に凄い、
あれだけ酷かった目眩が抑えられている。
お世話になった分、今はお手伝いをしている所だ。鬼についてもいろいろ聞けた。
太陽に当たったら死ぬとか特殊な刀で首を切られたら死ぬとか。それ以外はなかなか死なないらしいから恐ろしい。
また襲ってきたら朝まで逃げてやろうかな。
あとその特殊な刀とか欲しいわ
護身用に
そんな話を呑気に出来る日々。
幸せだ。落ち着いて過ごせる____
あぁなんでだろうね、まだここに来て数日だよ?
私には平和な日常は来ないのかな。
私が2階で寝ていた時、けたたましい音が聞こえ
目が覚めた。
急いで1階へ降りる。
『…っ珠代さん!』
珠代さんは血まみれだ
「お前よくも珠代様を…!!」
愈史郎さんも傷だらけだ。
「お前!何故出てきた!早く戻れ!」
「やっぱりいた!稀血じゃん!」
今まで追いかけてきた鬼とは雰囲気が
違うやつがいる。
そいつは一瞬で目の前にきた。
「君、驚かないの?」
『まぁ慣れているのでこの状況に』
目には上弦弐と書いてある。
不覚にも眼は7色で美しい。こんな鬼もいるのか
「気に入った。でも、まずあの裏切り者の女をどうにかしなきゃね」
珠代さんが裏切り者?
『ちょっと待って。取引しようよ』
「ん〜?なになに〜?」
『私を食べたいんだよね?稀血なんでしょ?』
「うん!本当に美味しそうだ」
『ならさ_____
私を鬼にしなよ』
「「「え?」」」
『この提案結構いいと思うんだけどなぁ。
私は長く生きられるし、貴方は私を沢山食べられる。』
「Aさん、駄目よ。私達は大丈夫だ…
「ちょっと黙ってろ。
たしかに中々いい取引だ。なんで急に?」
『私、あと2年ぐらいしか生きられないの。
だから、もっと生きてたいってだけ。
鬼にしてからは貴方が好きなようにしてもらって構わない。でも、一つだけ約束して、
珠代さん達のことは黙ってて手出ししないで。あなた達の過去なんて興味無いけど2人には生きていて欲しいから』
「ふ〜ん?まぁいいよ、取引しよう」
まさか乗ってくるとは。
そんなに欲しいのか私の血が
「じゃあ行こうか」
手を差し出され手を重ねる。
「Aさん、待って!!」
『珠代さん、診療所壊しちゃってすみません。またお話しに来ます』
あぁよかった。あの2人には申し訳なかったけど
私のせいで死ななくて本当によかった。
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作者名:yuririn | 作成日時:2019年12月14日 19時